山手線で一番しょぼい駅はどこですか?

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山手線で最も地味な駅として挙げられるのは、高輪ゲートウェイ駅です。247票を集めて1位となりました。2020年に開業したばかりの比較的新しい駅で、東京都港区港南に位置しています。斬新なデザインですが、利用者からは「閑散としている」「周囲に何もない」といった意見も見られます。

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山手線、本当に「しょぼい」駅はどこだ? – 高輪ゲートウェイの誤解と、忘れ去られた駅たちの悲哀

山手線。東京をぐるりと一周するこの路線は、日本の鉄道網を象徴する存在だ。その全ての駅が、それぞれの個性と物語を持っている。しかし、インターネット上で「山手線で一番しょぼい駅」という議論が交わされる際、必ずと言っていいほど名前が挙がるのが、高輪ゲートウェイ駅だろう。

2020年に開業したこの駅は、隈研吾氏のデザインによる斬新な外観と、駅構内のロボット導入など、開業当初から話題を集めた。しかし、その先進的な外観とは裏腹に、「閑散としている」「周囲に何もない」という声が後を絶たない。まるで、未来都市の実験場のような、どこか浮世離れした雰囲気が、利用者に「しょぼい」という印象を与えているのかもしれない。

しかし、本当に高輪ゲートウェイは「しょぼい」駅の代表格なのだろうか?私はそうは思わない。確かに、駅周辺の商業施設は少なく、他の駅と比較すると賑わいに欠けるかもしれない。しかし、高輪ゲートウェイ駅は、未来を見据えた新しい駅のあり方を模索する、意欲的な試みの象徴でもある。その斬新なデザインと、テクノロジーを駆使したサービスは、未来の駅の姿を垣間見せてくれる。

むしろ、私が「しょぼい」と感じるのは、忘れ去られ、ひっそりと佇む駅たちだ。例えば、駒込駅。染井霊園に近いこともあり、どこか物静かで落ち着いた雰囲気が漂う。派手な商業施設もなく、ただひたすらに、日々の通勤・通学客を運び続けている。

また、鶯谷駅も、その地味さにおいては引けを取らない。周辺にはラブホテル街が広がり、駅前はどこか寂しげな雰囲気が漂う。しかし、その一方で、谷中・根津・千駄木の散策の起点となる駅でもあり、下町情緒を感じさせる魅力も持ち合わせている。

これらの駅は、高輪ゲートウェイのように話題になることもなく、華やかなイメージを持つこともない。しかし、それぞれの駅には、それぞれの歴史と、そこで暮らす人々の生活が息づいている。

「しょぼい」という言葉は、単に駅の規模や利用者の多寡を指すものではないはずだ。それは、その駅が持つ個性や、役割、そして、そこで繰り広げられる人々の物語を総合的に判断して初めて生まれる感情なのだと思う。

高輪ゲートウェイは、その斬新さゆえに「しょぼい」と評されるかもしれない。しかし、私は、それよりも、地味ながらも人々の生活を支え続ける駅たちに、もっと目を向けるべきだと考えている。なぜなら、それらの駅こそ、山手線の多様性と、東京の魅力を体現しているからだ。