東急と京急の線路幅は？

東急と京急、線路幅の「意外な」関係：知られざる搬入出の裏側

首都圏を縦横に走る鉄道網。その中でも、東急電鉄と京浜急行電鉄（京急）は、それぞれ独自の沿線文化を育み、多くの人々の足として活躍しています。普段何気なく利用しているこれらの鉄道ですが、実は線路幅（軌間）という点において、意外な関係性があることをご存知でしょうか？

東急電鉄の路線は、大半が1067mmの狭軌を採用しています。これは、JR在来線と同じ規格であり、日本の鉄道の標準的な軌間と言えるでしょう。一方、京急電鉄は1435mmの標準軌を採用しています。これは、新幹線や一部の私鉄で見られる、より広い軌間です。

では、なぜ東急と京急で線路幅が異なるのでしょうか？それぞれの会社の歴史的背景や、当時の技術的な制約、輸送需要などが影響していると考えられますが、詳しい理由は割愛します。ここでは、線路幅の違いがもたらす「意外な」側面に焦点を当ててみましょう。

冒頭で触れられているように、かつて東急車輛製造（現在の総合車両製作所横浜事業所）から京急金沢文庫駅手前まで、JR在来線と同じ狭軌の連絡線が存在していました。この連絡線は、東急車輛製造で製造された車両を、京急本線へと搬入・搬出するために利用されていました。

ここで問題となるのが、東急車輛製造の工場から出荷される車両は、基本的に狭軌規格で作られているという点です。つまり、そのままでは標準軌の京急本線に乗り入れることができません。

そこで、この連絡線を利用して搬入出する際には、車両の軌間変更という作業が必要になります。これは、台車を交換したり、特殊な装置を用いて車輪の間隔を調整したりする作業で、時間と手間がかかります。

現在、この連絡線は廃止されており、陸送による搬入出が主流となっています。しかし、かつてはこのような「軌間変更」という手間をかけて、東急と京急の車両が繋がっていたという事実は、鉄道ファンにとっては興味深いエピソードと言えるでしょう。

普段私たちが利用している鉄道の裏側には、このような線路幅の違いや、それに伴う様々な工夫が存在しています。何気なく利用している鉄道も、少し視点を変えて見てみると、新たな発見があるかもしれません。