西鉄貝塚線の利用者数は？

西鉄貝塚線の利用実態：数字から見えてくる地域の足

西鉄貝塚線は、福岡市東区と糟屋郡新宮町を結ぶ、全長11キロの短い路線ながら、地域住民にとって重要な足として機能しています。2022年度末のデータによれば、年間766万人、1日平均約2.1万人が利用していることがわかります。これは、決して少ない数字ではありません。

この路線は、かつては福岡市内を南北に貫く幹線の一部でしたが、地下鉄延伸に伴い分断され、現在の形となりました。しかし、周辺地域の開発や、沿線に点在する学校への通学需要などにより、安定した利用者数を維持しています。

年間9億3400万円という営業収入は、1キロメートルあたりの収入に換算すると約8500万円となり、短い路線ながら効率的な運営が行われていることが伺えます。また、年間走行距離が127万キロに達していることからも、頻繁な運行が行われていることがわかります。

注目すべきは、これらの数字が示唆する、貝塚線の役割の変化です。かつての幹線としての役割は失われたものの、地域に根差した生活路線としての重要性は増しています。例えば、沿線には九州産業大学をはじめとする学校が多く、通学時間帯には学生で賑わいます。また、周辺の住宅開発に伴い、通勤・通学以外の日常的な移動手段としての利用も増えていると考えられます。

今後の課題としては、少子高齢化による利用者の減少が挙げられます。これを克服するためには、沿線の魅力を高める取り組みや、新たな利用者を呼び込むための施策が求められます。例えば、周辺地域の観光スポットとの連携や、地域イベントへの積極的な参加などが考えられます。

さらに、貝塚線の特性を活かした新たなサービス展開も期待されます。例えば、朝のラッシュ時における着席保証サービスの導入や、沿線地域の特産品を販売するイベント列車の運行などが考えられます。

西鉄貝塚線は、単なる移動手段ではなく、地域を結ぶ大切な絆です。利用者のニーズを的確に捉え、地域社会との連携を深めることで、今後も地域住民にとって不可欠な存在であり続けることができるでしょう。そのためには、継続的な投資と、柔軟な発想が求められます。