DiDiのサービスは終了するのでしょうか?

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DiDiフードジャパンは、5月25日で日本での料理宅配サービスを終了します。タクシー配車サービスは継続されます。
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DiDi撤退の波紋:フードデリバリーからタクシーだけに、その真意は?

中国発の配車サービス大手、DiDi(ディディ)が揺れている。5月25日をもって、日本で展開していたフードデリバリーサービス「DiDiフード」の終了を発表。Uber Eatsや出前館など、競合ひしめく中で苦戦を強いられていた同サービス。今回の撤退は、DiDiにとって日本市場における戦略転換を迫られる象徴的な出来事と言えるだろう。

DiDiフードは、2020年4月に大阪でサービスを開始。その後、東京、名古屋、福岡、京都など、徐々にサービスエリアを拡大してきた。利用者にとって魅力的だったのは、なんといってもその価格設定。配達料金の安さや、新規顧客獲得のための積極的なクーポン配布は、他のサービスと一線を画していた。

しかし、その一方で、配達員の待遇の悪さや、日本語対応の不十分さなどが指摘されることも。また、競合他社に比べて、加盟店数が少ないことも課題として挙げられていた。

今回の撤退発表を受け、SNS上では、「DiDiフードよく利用してたのに残念」「安くて助かってたのに」「競争激化で仕方ないのかな」といった声が上がっている。

DiDiは、フードデリバリーサービスの終了後も、タクシー配車サービスは継続するとしている。しかし、今回の撤退は、DiDiにとって日本市場での存在感が薄れることを意味するのも事実だ。

では、DiDiはなぜフードデリバリーサービスから撤退という苦渋の決断を下したのだろうか? 考えられる要因としては、以下の点が挙げられる。

  • 競争激化による収益化の難航: Uber Eatsや出前館など、すでに多くのプレイヤーが存在する日本のフードデリバリー市場。後発組であるDiDiが、シェアを拡大し、収益を確保することは容易ではなかったと考えられる。
  • 配達員不足と待遇改善の遅れ: 慢性的な人手不足に悩む日本の物流業界。配達員の待遇改善が遅れれば、優秀な人材を確保することは難しく、サービスの質低下にもつながりかねない。
  • 日本市場への理解不足: 中国市場とは異なる、日本の消費者のニーズや商習慣。ローカライズの遅れが、利用者獲得の足かせになった可能性も否定できない。

DiDiは今後、タクシー配車サービスに経営資源を集中させ、巻き返しを図る構えだ。しかし、タクシー業界においても、JapanTaxiやUberなど、競合は少なくない。DiDiが日本市場で生き残りをかけ、成長していくためには、サービスの差別化、顧客満足度の向上など、課題は山積していると言えるだろう。

今回のDiDiフード撤退は、日本のフードデリバリー市場、そしてDiDi自身の今後を占う上でも、重要なターニングポイントとなるだろう。