JRで一番古い駅はどこですか?

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三重県亀山市にある亀崎駅は、JR西日本の最古参駅舎として知られています。明治時代に建てられた木造駅舎は、今も現役で活躍し、国の登録有形文化財にも指定されています。その歴史的価値から「日本最古の現役駅舎」と称され、多くの鉄道ファンを魅了しています。古き良き時代の面影を残す貴重な産業遺産です。

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JRで一番古い駅はどこですか?という問いには、単純な答えはありません。 「最古」の定義を、開業日、現存する駅舎の建築時期、あるいは使用されている線路の敷設時期など、複数の視点から検討する必要があるからです。 それぞれの視点から考察し、日本の鉄道史を紐解いてみましょう。

まず、開業日という観点から見ると、日本最古の駅は、現在のJR東日本管轄の駅である可能性が高いです。 明治初期、新橋~横浜間の鉄道が開業した際、数多くの駅が同時に誕生しました。しかし、当時の記録は散逸している部分も多く、正確な開業日を特定するのが困難なケースが少なくありません。 さらに、線路の延伸や路線変更、駅名の改称などが頻繁に行われてきたため、記録上の「最古」が、現在も実際に「最古」として存在しているとは限りません。 開業日を正確に特定し、その駅舎が現存していることを確認するのは、膨大な調査と検証を要する作業と言えるでしょう。

次に、現存する駅舎の建築時期に着目してみましょう。 三重県亀山市にある亀山駅は、その美しい木造駅舎から「日本最古の現役駅舎」と称されることが多く、メディアでも頻繁に取り上げられています。明治時代に建造されたこの駅舎は、確かに古風な佇まいを残し、往時の鉄道風景を偲ばせる貴重な存在です。しかし、これは「現役駅舎」の中で最古であるという主張であり、「JRで一番古い駅」という問いへの直接的な解答とは言えません。 他のJR各社にも、明治期に建築された歴史ある駅舎は数多く存在し、それらの建造時期を正確に比較検証する必要があります。 例えば、北海道、東北地方、あるいは山陽地方など、地方路線に残る木造駅舎の中には、亀山駅よりも古い建造物も存在する可能性は十分考えられます。

最後に、線路の敷設時期という視点も重要です。 鉄道の開通と駅舎の建築は必ずしも同時ではありません。 既存の線路上に駅が後から設置されたり、線路が延伸・改築される際に駅舎も改築・建て替えられたりすることが頻繁にありました。 そのため、現存する駅舎の建築時期よりも、その駅が位置する線路の敷設時期の方が、より古い歴史を示す指標となる可能性があります。 しかしながら、このアプローチも、正確な記録の確認が困難であるため、容易ではありません。

結論として、「JRで一番古い駅」を断定することは、現状では極めて困難です。 複数の資料を参照し、開業日、駅舎の建築時期、線路の敷設時期といった様々な要素を総合的に判断する必要があります。 より正確な結論を得るためには、鉄道史研究者による専門的な調査と分析が不可欠でしょう。 本稿が、この難問の解明への端緒となることを願っています。