カードを解約するときの注意点は？

クレジットカードを解約する際には、安易な気持ちで手続きを進めると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。一見簡単な手続きと思われがちですが、事前に確認すべき事項は数多く存在します。後悔しないためにも、解約前に必ずチェックすべきポイントを丁寧に解説します。

まず、最も重要なのは利用残高の完済です。解約手続きを進める前に、必ず残高がゼロになっていることを確認しましょう。未払いがあれば解約できませんし、解約後に請求書が届き、延滞金が発生する可能性もあります。オンラインバンキングやカード会社専用のアプリなどで、残高を確認する習慣をつけましょう。残高確認は解約手続きの数日前、できれば1週間前に行うことをお勧めします。万が一、残高が残っていた場合は、速やかに完済手続きを行いましょう。

次に、クレジットカードを支払いに利用しているサービスの確認です。公共料金（電気・ガス・水道料金）、携帯電話料金、各種サブスクリプションサービスなど、クレジットカードで自動支払いを設定しているものは全て見直しましょう。解約後に支払い方法を変更しないと、支払いが滞り、サービス利用停止や延滞金が発生する可能性があります。各サービスの支払い方法変更手続きは、解約手続きと同時に行わず、余裕を持って事前に済ませておくことを強く推奨します。それぞれのサービス提供会社へ連絡し、新しい支払い方法を登録する必要があります。

そして、意外と忘れがちなのが、ETCカードや家族カードの有無です。クレジットカードと一体型のETCカードを利用している場合、解約手続きを行うとETCカードも同時に無効になります。高速道路を利用する予定がある場合は、代替のETCカードを事前に準備しておく必要があります。また、家族カードを発行している場合、家族カードも同時に解約するのか、それとも継続するのかを明確にしましょう。家族カードの解約を希望する場合は、家族カードの利用状況を確認し、残高を精算する必要があります。

年会費についても注意が必要です。多くのクレジットカードには年会費が設定されています。解約手続きをしても、既に支払った年会費は返金されないのが一般的です。年会費の発生時期や金額を確認し、解約によって損失が生じる可能性があるかどうかを冷静に判断しましょう。特に、解約を検討する前に、年会費無料期間や、年間利用額に応じて年会費が免除される制度などを活用できるかどうか確認しておきましょう。

さらに、海外旅行を計画している場合は、代替カードの準備が不可欠です。海外ではクレジットカードが決済手段として広く利用されています。メインカードを解約すると、緊急時における資金調達に支障をきたす可能性があります。解約前に、予備として別のクレジットカードを発行しておくか、デビットカードなどの代替手段を確保しておくことを強くおすすめします。

最後に、解約手続き後にも注意すべき点があります。多くのクレジットカードでは、解約後に残高やポイントの有効期限が設定されています。ポイントが失効する前に、ポイントの利用方法を検討しましょう。残高がある場合は、期限内に利用するか、現金化する方法を検討する必要があります。

クレジットカードの解約は、安易な判断で進めると様々な問題を引き起こす可能性があります。上記に挙げたポイントを一つ一つ確認し、十分に時間をかけて検討することで、トラブルを回避し、スムーズな解約手続きを進めることができます。 解約前に十分な準備を行い、後悔のない選択をしましょう。