亡くなった人のラインは消えますか?

4 ビュー

LINEアカウントは、故人のものであっても自動的に削除されることはありません。閉鎖を希望する場合は、LINEの問い合わせフォームから申請が必要です。家族であっても、故人のアカウントを引き継ぐことは利用規約で禁止されています。アカウントの扱いはプライバシーに関わるため、慎重な対応が求められます。

コメント 0 好き

故人のLINEアカウント、残されたデジタル遺品をどうすべきか

愛する人を亡くした悲しみの中、残されたデジタル遺品の整理は、心身ともに大きな負担となる作業です。特に、日常的に使用していたLINEアカウントの扱いは、故人のプライバシー、家族の感情、そして法的な側面からも複雑な問題を含んでいます。

インターネット上では、故人のLINEアカウントに関する情報が散見されますが、多くは表面的な説明に留まっています。ここでは、より深く掘り下げ、実際に起こりうる状況と、それに対する具体的な対処法を解説します。

LINEアカウントは放置するとどうなる?

冒頭でも触れられているように、故人のLINEアカウントは、放置しても自動的に削除されることはありません。ID・パスワードが不明な場合、ログインすることもできず、実質的に“凍結”された状態となります。しかし、LINEのサーバー上にはデータが残り続けるため、プライバシー侵害のリスクは否定できません。

アカウント削除・閉鎖の手続き

LINEアカウントの削除・閉鎖を希望する場合、原則として、LINEの問い合わせフォームから申請する必要があります。しかし、故人のアカウントであるため、通常のID・パスワードでのログインが困難です。

申請時には、故人の死亡診断書、戸籍謄本など、故人との関係性を証明できる書類が必要となります。また、削除申請の理由を明確に記載する必要があります。

注意すべき点:家族でも勝手にアカウントにアクセスするのはNG

LINEの利用規約では、アカウントの所有者にのみ利用権限が認められています。たとえ家族であっても、故人の許可なくアカウントにログインしたり、情報を閲覧したりすることは、規約違反となる可能性があります。また、故人のプライバシーを侵害する行為とみなされる可能性もありますので、十分に注意が必要です。

デジタル遺品としてのLINE:複雑な感情と向き合う

LINEは、単なるコミュニケーションツールではなく、故人の思い出や人間関係が詰まったデジタル遺品です。

  • トーク履歴: 故人が誰とどのようなやり取りをしていたのか、貴重な記録として残されています。
  • 写真・動画: 楽しかった日々、大切な瞬間を記録した写真や動画は、かけがえのない思い出として、遺族の心を癒してくれるかもしれません。
  • 友達リスト: 故人の人間関係を知る手がかりとなる一方、連絡を取りたくても、もう二度と声が聞けないという事実を突きつけられるかもしれません。

これらのデジタル遺品をどのように扱うかは、遺族の感情や状況によって異なります。

法的な問題:相続とプライバシー

デジタル遺品も相続財産の一部として扱われるべきかどうか、法的な解釈はまだ確立されていません。しかし、LINEアカウントに有料コンテンツやLINE Payの残高など、財産的価値がある場合、相続の対象となる可能性があります。

また、故人のプライバシー保護も重要な課題です。特に、トーク履歴には、個人的な情報や秘密が含まれている可能性があり、慎重な取り扱いが求められます。

まとめ:専門家への相談も視野に

故人のLINEアカウントの扱いは、非常にデリケートな問題です。法的な側面、プライバシーの問題、そして遺族の感情的な負担を考慮し、慎重に対応する必要があります。

もし、手続きに不安を感じたり、法的な問題が生じたりした場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

残されたデジタル遺品は、故人の生きた証であると同時に、遺族にとっては複雑な感情が伴うものです。時間をかけて、納得のいく形で整理していくことが大切です。