外登証は携帯する義務がある？

在留カード（旧外国人登録証）は本当に常に携帯する必要があるのか？法律と現実のギャップ

街中で外国人の方を見かけることが当たり前になった現代、在留カード（旧外国人登録証、以下「在留カード」と表記）の携帯義務について、改めて疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。「常に携帯しなければならない」と漠然と理解していても、その根拠となる法律や、実際に携帯しなかった場合の具体的な影響について、詳しく知っている人は少ないかもしれません。

結論から言えば、在留カードの携帯は、法律（出入国管理及び難民認定法第16条）で義務付けられています。 前述の通り、警察官など入国警備官から提示を求められた場合、速やかに提示しなければなりません。

しかし、法律で義務付けられているからといって、常に携帯していなければ本当に罰則が科せられるのでしょうか？ ここに、法律と現実のギャップが存在します。

実際に罰則が適用されるケースは稀であると言えるでしょう。 もちろん、在留カードの提示を拒否したり、虚偽の情報を伝えたりすれば、罰則の対象となります。しかし、単に「忘れてしまった」という理由だけで逮捕されたり、高額な罰金を科せられたりする事例は、ほとんどありません。

なぜなら、日本の警察は、外国人に対する取り締まりにおいて、人権に配慮した慎重な対応を求められているからです。もちろん、在留状況に疑義がある場合や、他の犯罪に関与している疑いがある場合など、例外的な状況では厳しく対応されることもあります。

では、なぜ在留カードの携帯が義務付けられているのでしょうか？ その理由は、以下の点が挙げられます。

• 迅速な身分証明: 警察官などが職務質問を行う際、在留カードは外国人であることを迅速に確認できる有効な手段となります。
• 不法滞在者の取り締まり: 在留カードは、不法滞在者を取り締まる上で重要な情報源となります。
• 犯罪捜査への協力: 在留カードの情報は、犯罪捜査において、外国人の身元特定や行動履歴の追跡に役立ちます。

つまり、在留カードの携帯義務は、日本の治安維持のために不可欠な制度なのです。

とは言え、「常に携帯」という義務は、日常生活においては必ずしも現実的ではありません。特に、ジョギングや海水浴など、カードの携帯が困難な状況も考えられます。

そこで重要なのは、常に携帯することが理想ではあるものの、提示を求められた際に、速やかに提示できる状態を保つことです。 例えば、自宅に保管している場合は、すぐに取り出せるようにしておく、スマートフォンの画像データとして保存しておくなどの対策が考えられます。

また、万が一、在留カードを紛失したり、盗難に遭ったりした場合は、速やかに警察に届け出るとともに、入国管理局で再交付の手続きを行う必要があります。

在留カードの携帯義務は、外国人にとって、少々面倒な義務かもしれません。しかし、それは日本の治安維持に貢献する重要な役割を担っていることを理解し、できる限り協力することが大切です。

この情報が、在留カードの携帯義務に関する理解を深め、日本での生活をより安全で快適なものにする一助となれば幸いです。

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