日本人の平均預金額はいくらですか?

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2019年の日本人世帯の平均貯蓄額は266万円、金融資産保有額は529万円でしたが、その後増加傾向にあり、大幅な伸びを見せています。2021年には、保有額の内訳として、生命保険が74万円、投資信託が51万円、個人年金保険が31万円と、多様な資産構成がうかがえます。 増加の背景には、コロナ禍や経済状況の変化が影響していると考えられます。

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日本人の平均預金額:コロナ禍を経て変化する貯蓄事情

日本人の平均預金額、気になりますよね。よく耳にする「貯蓄好き」な日本人。果たして実際どのくらい貯蓄しているのでしょうか? 2019年のデータでは、世帯平均の貯蓄額は約266万円、金融資産保有額は約529万円でした。しかし、これはあくまで平均値。年齢、職業、居住地などによって大きく変動しますし、近年はコロナ禍の影響もあり、この数字は大きく変化していると考えられます。

では、最近の貯蓄事情はどうなっているのでしょうか? 実は、コロナ禍以降、貯蓄額は増加傾向にあると言われています。外出自粛や経済の先行き不安から、消費を控えて貯蓄に回す人が増えたと考えられます。2021年のデータを見ると、金融資産の内訳として生命保険74万円、投資信託51万円、個人年金保険31万円など、多様な資産形成が進んでおり、預貯金以外にも資産を分散させている傾向が見て取れます。

ただ、平均値だけで全体像を把握するのは難しいです。例えば、高齢者世帯は現役世代に比べて貯蓄額が多い傾向にあります。長年の積み重ねに加え、退職金などの一時金が加わるためです。一方、若年層は収入が少なく、貯蓄に回せるお金も限られるため、平均値を押し下げる要因となっています。

さらに、地域差も無視できません。都市部と地方では物価や生活水準が異なるため、貯蓄額にも差が生じます。一般的に、生活費の高い都市部では貯蓄額が高くなる傾向がありますが、地方では住宅ローン負担が少なく、生活費も抑えられるため、実質的な可処分所得は高くなる場合もあります。

また、「平均預金額」という言葉自体にも注意が必要です。「預金」は銀行等に預け入れたお金を指しますが、金融資産には株式、債券、投資信託なども含まれます。近年は低金利が続くため、預貯金以外への投資に目を向ける人も増えています。そのため、預貯金のみで個人の資産状況を判断するのは適切ではありません。

さらに、貯蓄額が増加している背景には、コロナ禍による消費の減少だけでなく、政府による給付金の影響も考えられます。一時的な収入増が貯蓄に回された可能性もあり、この増加が持続的なものかは今後の動向を見守る必要があります。

今後の日本経済は、少子高齢化や社会保障費の増加など、様々な課題を抱えています。将来への不安から貯蓄に励む人も多い一方で、消費の低迷は経済成長の阻害要因にもなりかねません。

「平均預金額」という一つの数字だけでは見えない、個々の状況や社会全体の動向。貯蓄は将来への備えとして重要ですが、バランスの取れたお金の使い方、資産形成がより重要になってきています。個々のライフプランに合わせた適切な資産運用、そして健全な経済成長のため、消費と貯蓄のバランスをどのように取っていくのか、私たち一人一人も考え続けていく必要があるでしょう。