積立NISAは円建てとドル建てのどちらがいいですか？

積立NISA：円建て vs ドル建て、初心者はどっちを選ぶべき？

積立NISAを活用して将来への資産形成を始める人が増えています。しかし、投資初心者にとって「円建て」と「ドル建て」どちらを選ぶべきか、悩ましい問題です。この記事では、投資教育の観点から、特に初心者にとってどちらがより適切な選択と言えるのか、詳しく解説していきます。

まず、冒頭で触れた通り、投資教育の目的で積立NISAを利用するなら「円建て」が推奨されます。理由は大きく分けて三つあります。

1. シンプルで分かりやすい:

円建て投資は、日本円で購入、運用、売却まで全て日本円で行われます。為替レートを気にする必要がなく、投資初心者にとって非常にシンプルで分かりやすい点が大きなメリットです。ドル建て投資の場合、購入時だけでなく、売却時にも為替レートの影響を受けます。円高になれば利益が増えますが、円安になれば損失が発生する可能性があります。為替変動のリスクを理解し、管理する必要があるため、初心者にはハードルが高く感じられるかもしれません。

投資を始める上で大切なのは、投資対象の価値変動を理解することです。為替変動という追加の要素が加わることで、投資判断が複雑になり、本来の投資学習の妨げになる可能性があります。円建て投資であれば、為替変動を気にせず、投資対象そのもののパフォーマンスに集中できます。

2. 少額から始めやすい:

積立NISAは少額から長期的に投資できる制度です。円建て投資であれば、まさに「おつり」のような感覚で、無理なく投資を続けることができます。一方、ドル建て投資の場合、外貨両替の手数料が発生することがあります。少額投資の場合、この手数料が相対的に大きくなり、投資効率を悪化させる可能性があります。また、最低購入金額が設定されている場合もあり、少額から始めたい人にとっては制約となる可能性があります。

3. 心理的な負担が少ない:

投資において、心理的な負担はパフォーマンスに大きな影響を与えます。ドル建て投資の場合、為替レートの変動によって含み損を抱える可能性があります。たとえ長期投資であっても、含み損が大きくなると不安になり、冷静な判断ができなくなる可能性があります。特に初心者にとっては、この心理的な負担が大きく、投資を継続するモチベーションを維持するのが難しくなるかもしれません。円建て投資であれば、為替変動による心理的な負担を軽減し、長期的な視点で投資を続けることができます。

もちろん、ドル建て投資にもメリットはあります。例えば、世界経済の成長を取り込みたい場合や、円安ヘッジをしたい場合などは、ドル建て投資が有効な手段となります。しかし、これらのメリットは、ある程度の投資経験と知識を持った投資家にとってのものです。

投資初心者にとって、まずは投資の仕組みを理解し、長期的な視点で投資を続ける経験を積むことが重要です。そのためには、シンプルで分かりやすく、心理的な負担の少ない円建て投資から始めることをおすすめします。

最後に、投資にはリスクが伴います。投資をする前に、必ずご自身で十分な情報収集を行い、リスクを理解した上で投資判断を行うようにしてください。この記事は投資を推奨するものではなく、あくまでも投資教育を目的とした情報提供です。投資判断は自己責任で行ってください。