1万円札の流通枚数は？

1万円札の流通枚数減少の背景

日本銀行が発表したデータによると、2021年度における1万円札の発注枚数は9億枚で、前年度から2,000万枚減少しています。この減少は4年連続となり、2004年度以降では過去最少の発注枚数になります。

この減少の主な原因として、キャッシュレス決済の普及とタンス預金の増加が挙げられています。

キャッシュレス決済の普及

近年、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済などのキャッシュレス決済の利用が拡大しています。利便性や安全性が高く、小額決済から高額決済まで幅広い場面で利用できるため、現金を持ち歩く必要性が低下しています。

タンス預金の増加

また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、個人や企業が将来への不安から現金を貯蓄する傾向が高まっています。この結果、銀行預金ではなくタンス預金として自宅で保管されるお金が増加し、流通する1万円札の枚数が減少しています。

減少の影響

1万円札の流通枚数の減少は、次のような影響が懸念されています。

• 決済の不便さ: キャッシュレス決済が利用できない場合、大額の支払いに1万円札が必要になるため、不便さにつながる可能性があります。
• 偽札のリスク: 流通枚数が減ると、偽札の発見が難しくなるため、偽札被害が増加するリスクがあります。
• 経済の停滞: 現金は経済活動の重要な手段であるため、流通枚数の減少が経済の停滞につながる可能性があります。

政府や日本銀行は、キャッシュレス決済の利便性を維持しつつ、現金需要にも対応する施策を検討しています。