100万円以上の持ち出しは？

100万円以上の持ち出しは？ 海外旅行と申告義務、その落とし穴

海外旅行の計画、ワクワクしますね！ パスポート、航空券、ホテル…準備は万端ですか？ 忘れがちなのが、高額な現金や有価証券の持ち出しに関するルールです。100万円相当額を超える現金などを海外へ持ち出す、あるいは持ち込む場合は、税関への申告が義務付けられています。意外と知られていないこのルール、うっかり違反すると面倒なことになるかもしれません。今回は、100万円以上の持ち出しに関する注意点や、スムーズな手続きのためのポイントを詳しく解説します。

なぜ申告が必要なの？

100万円相当額以上の持ち出しに関する申告は、主にマネーロンダリング（資金洗浄）やテロ資金供与の防止を目的としています。違法行為によって得られたお金が海外へ流出したり、テロ活動に利用されるのを防ぐため、国境を越えるお金の流れを監視する必要があるのです。 また、申告によって、個人の資産状況を把握し、適切な課税を行うという側面もあります。

具体的に何を申告するの？

「100万円相当額」とは、日本円だけでなく、外貨、トラベラーズチェック、小切手、約束手形なども含まれます。これらの合計額が100万円相当を超える場合は申告が必要です。例えば、50万円分の日本円と500USドル（1ドル140円換算で7万円）と500ユーロ（1ユーロ150円換算で7.5万円）を持っている場合、合計は約64.5万円となり申告は不要です。しかし、為替レートは変動しますので、余裕を持って計算し、少しでも不安があれば税関職員に相談するのが賢明です。

金やプラチナなどの貴金属、宝石類も高額な場合は申告対象となります。 これらの物品は、その場で税関職員が評価し、100万円相当額を超えるかどうかを判断します。

具体的な申告方法は？

空港や港にある税関で「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を提出します。この申告書は、税関の窓口で入手できるほか、財務省のウェブサイトからもダウンロードできます。事前に記入しておくと、手続きがスムーズに進みます。申告書には、氏名、パスポート番号、持ち出す金額や通貨の種類、使用目的などを記入する必要があります。

申告を怠るとどうなるの？

申告を怠った場合、最悪の場合、没収や罰金が科せられる可能性があります。また、意図的な不正申告は、より重い罰則の対象となります。 「知らなかった」では済まされませんので、必ずルールを守りましょう。

よくある疑問と注意点

• クレジットカードやデビットカードは申告が必要？ カード自体は申告不要ですが、多額の現金を引き出す予定がある場合は、その旨を税関職員に伝える方が良いでしょう。
• 家族で旅行する場合、個別に申告が必要？ 一人あたり100万円相当額を超える場合は、それぞれ個別に申告が必要です。家族分の現金をまとめて一人が持つ場合も、申告が必要になります。
• 海外で使う予定のないお金も申告が必要？ 日本への一時的な帰国であっても、持ち込む金額が100万円相当額を超える場合は申告が必要です。

まとめ

100万円以上の現金等の持ち出しに関するルールは、一見複雑に思えるかもしれませんが、守ることは難しくありません。事前に必要な情報を集め、適切な手続きを行うことで、安心して海外旅行を楽しむことができます。 不明な点があれば、税関のウェブサイトや電話相談窓口を利用し、疑問を解消してから出発しましょう。 快適な旅のために、事前の準備を怠らないように心がけましょう。