60歳以上の貯蓄額はいくらですか?

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60~69歳世帯の平均貯蓄額は2022年時点で約1738万円と、年齢階級別で最高額です。しかし、同年齢層の4割以上が前年より貯蓄が減少していると回答しており、高齢期の経済不安を示唆しています。将来の生活設計を見据えた、より詳細な状況把握が必要です。

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60代、その貯蓄額は安心への羅針盤となるか? リアルな数字と向き合う高齢期の経済設計

人生100年時代と言われる現代において、60代はまだまだ人生の折り返し地点。悠々自適なセカンドライフを謳歌するためには、十分な貯蓄が不可欠です。しかし、「60歳以上の貯蓄額はいくらあれば安心?」という問いに対する答えは、画一的なものではありません。平均値だけを見て安心したり、焦ったりするのではなく、個々の状況に合わせた綿密な資金計画を立てることが重要です。

平均貯蓄額だけでは見えない、高齢期の経済事情

一般的に、60代の貯蓄額は他の年代よりも高い傾向にあります。これは、長年の蓄積に加えて、退職金などのまとまった収入が入ってくることが影響しています。しかし、冒頭で述べたように、平均貯蓄額である約1738万円(60〜69歳世帯、2022年時点)はあくまで平均値。中央値で見ると、さらに金額は下がる可能性があります。

重要なのは、平均値に惑わされず、自分の貯蓄額が同年代の中でどの位置にあるのかを把握することです。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」などを参考に、自分の貯蓄額と中央値を比較してみましょう。

貯蓄額だけでは不十分! 考慮すべき3つのポイント

貯蓄額は、あくまで老後資金計画の一つの要素に過ぎません。以下の3つのポイントを考慮することで、より現実的な資金計画を立てることができます。

  1. 支出の見直し: 老後の主な収入源は年金となります。現役時代と比べて収入が減ることを想定し、生活費の見直しを行いましょう。固定費削減はもちろんのこと、趣味や娯楽にかかる費用も見直すことで、より長期的な視点での資金計画が可能になります。

  2. 年金の受給額と開始時期: 年金の受給額は、加入期間や収入によって大きく異なります。年金機構から送付される「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自身の受給額を把握しましょう。また、繰り上げ受給や繰り下げ受給によって、受給額が変動することも考慮する必要があります。

  3. 健康状態と医療費: 健康寿命を延ばすことは、老後資金を長く維持するために非常に重要です。日々の健康管理に気を配ることはもちろんのこと、万が一の病気や介護に備えて、医療保険や介護保険の加入も検討しましょう。

自分だけの「安心」を見つけるために

60代の貯蓄額は、あくまで安心のための「羅針盤」です。平均値にとらわれず、個々の状況に合わせた綿密な資金計画を立てることが、豊かなセカンドライフを送るための第一歩となります。

インターネット上には、老後資金シミュレーションツールや、専門家によるアドバイスが掲載されたサイトが数多く存在します。これらの情報を活用しながら、自分だけの「安心」を見つけてください。そして、積極的に行動することで、将来への不安を解消し、充実したセカンドライフを実現しましょう。