9月決算でやることは何ですか?

0 ビュー

9月決算企業の経理担当者は、通常の請求・支払業務に加え、消費税の中間申告準備を始めましょう。年末調整や法人税・消費税の確定申告に向けた準備も進めておくことが、スムーズな決算作業につながります。

コメント 0 好き

9月決算、慌てないための準備術:今すぐ始めるべき3つのステップ

9月決算を迎える企業にとって、秋はまさに勝負の季節。夏の繁忙期を終え、一息つきたいところですが、経理担当者にとっては正念場が始まります。決算業務をスムーズに進めるためには、今からしっかりと準備を進めておくことが肝要です。本記事では、9月決算企業の経理担当者が今すぐ始めるべき3つのステップをご紹介します。

ステップ1:消費税の中間申告準備を着実に進める

9月決算企業にとって、まず取り組むべきは消費税の中間申告の準備です。通常の請求・支払業務に加え、中間申告に必要な書類やデータの収集・整理を始めましょう。具体的には、以下の項目を確認しましょう。

  • 適格請求書等保存方式(インボイス制度)への対応状況:適格請求書をきちんと受領・保存しているか、自社も適格請求書発行事業者として登録・発行しているかを確認し、不足があれば速やかに対応しましょう。
  • 仕入税額控除の可否:仕入税額控除の要件を満たしているか、控除できない取引がないかを確認します。特に、交際費や接待費など、控除に制限のある項目は注意が必要です。
  • 税率の適用:軽減税率8%と標準税率10%が混在する取引の場合、それぞれの税率を正しく適用しているか、請求書や領収書に税率が明確に記載されているかを確認しましょう。
  • 電子申告の準備:e-Taxを利用した電子申告は、作業効率化に繋がります。事前にe-Taxの利用環境を整え、操作方法に慣れておくことが重要です。

ステップ2:年末調整と確定申告を見据えた準備を始める

消費税の中間申告に追われがちですが、年末調整と法人税・消費税の確定申告も見据えた準備も同時に進めておくことが、年末の繁忙期を乗り切る鍵となります。

  • 年末調整に必要な書類の収集:従業員からの扶養控除等申告書や保険料控除申告書の提出状況を確認し、未提出の従業員には提出を促しましょう。
  • 固定資産の棚卸:固定資産の取得・売却・除却など、年間の変動状況を把握し、台帳と実物との照合を行いましょう。
  • 減価償却費の計算:減価償却資産の耐用年数や償却方法を確認し、正確な減価償却費を計算しましょう。
  • 法人税申告書に必要な書類の整理:決算書作成に必要な資料や、税務申告に必要な書類を整理しておきましょう。

ステップ3:税理士との連携を密にする

複雑な税務処理や最新の税制改正への対応など、専門家のサポートは欠かせません。税理士と定期的に連絡を取り、不明点や疑問点を解消しておきましょう。特に、以下のような事項は税理士に相談することをお勧めします。

  • 新しい税制改正の影響:最新の税制改正が自社にどのような影響を与えるか、税理士に確認しましょう。
  • 節税対策:合法的な節税対策について、税理士に相談し、最適な方法を検討しましょう。
  • 決算対策:決算に向けた具体的な対策や注意点について、税理士のアドバイスを受けましょう。

9月決算は、単なる一年の区切りではなく、次年度の経営戦略を立てるための重要な機会です。慌てずに、計画的に準備を進めることで、スムーズな決算作業を実現し、今後の事業成長につなげましょう。早めの準備が、余裕のある決算、そして更なる飛躍への第一歩となります。