ベトナムで流行っている日本の曲は?

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1992年、ベトナムで初めて発売された日本の漫画「ドラえもん」は、空前のブームを巻き起こしました。藤子・F・不二雄作品の人気が、日本の音楽よりも先行し、国民的な認知度を獲得したと言えるでしょう。 この漫画ブームが、後の日本の音楽や文化の浸透にも大きな影響を与えたと考えられます。

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1992年の「ドラえもん」ブーム以降、ベトナムにおける日本の文化浸透は着実に進展し、音楽分野においても顕著な変化が見られます。しかし、特定の曲が「流行している」と断言するのは難しい。「流行」の定義自体が時代やメディア、地域によって異なり、ベトナムの広大な地域と多様な世代を考慮すると、一概に特定の曲を挙げることは不正確です。それでも、いくつかの傾向や、ベトナムで人気を集める傾向にある日本の音楽のカテゴリーについて考察することは可能です。

まず、日本のJ-POPがベトナムで人気を集める一つの大きな要因は、そのメロディーのキャッチーさです。ベトナム語とは異なる言語であるにも関わらず、耳馴染みの良いメロディーとテンポは、言語の壁を超えて人々の心を掴みます。特に、アップテンポでポジティブな楽曲は、若年層を中心に広く受け入れられています。 例えば、AKB48や乃木坂46といったアイドルグループの楽曲は、その洗練されたパフォーマンスと可愛らしいビジュアルと共に、一定のファン層を獲得しています。 しかし、これらのグループの曲は、必ずしもベトナムの主要な音楽チャートを席巻するほどの勢いがあるとは言い切れません。

次に、アニメやドラマの主題歌は、その作品の人気に伴って自然とベトナムで認知度を高めます。例えば、人気のアニメの主題歌は、作品を視聴したベトナムの視聴者にとって、その作品と強い結びつきを持ち、自然と耳に馴染み、口ずさむようになるケースが多いでしょう。 しかし、これは特定の楽曲の流行というよりは、作品の人気による派生的な現象と言えるでしょう。 主題歌が独立してヒットチャートを駆け上がることが少ないのは、ベトナムの音楽市場の特性かもしれません。

さらに、近年では、TikTokなどのショートビデオアプリの影響も無視できません。これらのプラットフォームでは、短い楽曲の一部が使用され、それがきっかけで楽曲全体への関心が広がるケースも少なくありません。 そのため、特定の日本の楽曲が、突然TikTok上で話題となり、一時的に人気を集めるという現象も起こり得ます。 ただし、このようなブームは短命であることが多いのが特徴です。

結局のところ、ベトナムにおける「流行」の日本の音楽は、特定の一曲やアーティストに絞り込むことが困難です。 J-POP全般、アニメ・ドラマ主題歌、そしてTikTokなどのソーシャルメディアで話題になった楽曲など、様々な経路を通じて日本の音楽はベトナムに浸透し、それぞれの層で人気を博していると言えます。 ベトナムの音楽チャートを分析したり、音楽配信サービスのランキングを調べたりする必要があるでしょうが、それだけでは、文化的な背景や、個々のユーザーの嗜好までを網羅することはできません。

今後、ベトナムの音楽市場の更なる発展と、日本の音楽との交流が深まることで、より明確な「流行」が見えてくる可能性があります。 しかし、現時点では、ベトナムにおける日本の音楽の人気は、多様で、多層的なものだと理解する必要があります。 それは、ベトナムという国の多様性そのものを反映しているとも言えるでしょう。