ドラッグストアの食品構成比は?

0 ビュー

ドラッグストアにおける食品の販売構成比は、業界全体で約30.6%(2021年時点)。これは、調剤医薬品とOTC医薬品の合計(約20.5%)を大きく上回り、医薬品の1.5倍もの売り上げを食品が占めている状況です。

コメント 0 好き

ドラッグストアの食品:医薬品を超える売上を支える”第3の柱”

ドラッグストアといえば、医薬品や化粧品を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、近年、食品の取扱いが増加し、その売上構成比は驚くほど高くなっています。2021年時点では業界全体で約30.6%に達し、医薬品(調剤医薬品とOTC医薬品を合わせた約20.5%)を大きく上回っています。もはや食品は、医薬品、化粧品に次ぐドラッグストアの”第3の柱”と言える存在感を示しているのです。

では、なぜドラッグストアで食品がこれほど売れるのでしょうか?その背景には、いくつかの要因が考えられます。

1. 利便性の追求:ワンストップショッピングの需要

現代社会は時間との戦い。仕事や家事、育児などに追われる人々にとって、効率的に買い物を済ませることは重要な課題です。ドラッグストアは、医薬品や日用品に加えて食品も購入できるため、ワンストップショッピングが可能になります。わざわざスーパーマーケットに立ち寄る手間が省け、時間の節約につながる点が大きな魅力となっています。

2. 商品構成の変化:手軽に食べられる食品の充実

従来、ドラッグストアで販売される食品は、お菓子や飲料、インスタント食品などが中心でした。しかし、近年は冷凍食品、チルド食品、生鮮食品など、手軽に食べられる商品の品揃えが充実しています。単身世帯や共働き世帯の増加に伴い、時短調理ニーズが高まっていることを受け、ドラッグストアはこうした需要を的確に捉えていると言えるでしょう。

3. プライベートブランドの台頭:価格競争力の強化

ドラッグストアは、プライベートブランド(PB)商品を積極的に展開しています。PB商品は、メーカー品よりも価格が安く、品質も高いものが多く、消費者の支持を集めています。特に食品分野では、PB商品が売上を牽引するケースも少なくありません。価格競争力の強化は、食品の売上構成比を高める一因となっていると考えられます。

4. 健康志向の高まり:健康食品やサプリメントとの相乗効果

健康に対する意識の高まりも、ドラッグストアにおける食品販売を後押ししています。ドラッグストアは、医薬品やサプリメントだけでなく、健康食品や機能性表示食品なども豊富に取り揃えています。健康に配慮した食生活を送りたいと考える消費者は、これらの商品をまとめて購入できるドラッグストアを積極的に利用する傾向にあります。

今後の展望:さらなる進化と多様化

ドラッグストアの食品販売は、今後も進化を続けると予想されます。例えば、オンライン販売の強化や、地域密着型のサービス展開、さらには健康管理アプリとの連携など、新たな取り組みが期待されます。また、高齢化社会の進展に伴い、介護食や栄養補助食品などの需要も高まると考えられます。

ドラッグストアは、消費者のニーズを的確に捉え、商品構成やサービス内容を常に進化させています。食品販売はその中心的な役割を担っており、今後ますますその存在感を高めていくことでしょう。ドラッグストアは、単なる「薬局」ではなく、地域住民の健康と生活を支える”ヘルス&ウェルネス拠点”へと進化を続けていくと考えられます。