バタ角の用途は？

バタ角：縁の下の力持ち、その多様な用途を探る

「バタ角」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか？ 工事現場でちらりと見かけたことがあるけれど、具体的に何に使われているのかわからない、という方も多いかもしれません。実はこのバタ角、私たちの生活を支える様々な場面で活躍する、まさに縁の下の力持ちなのです。今回は、土木工事からDIYまで、バタ角の多様な用途を紐解いていきましょう。

まず、バタ角とは一体何でしょうか？ 一般的には、断面がL字型をした木材や金属のことを指します。木材の場合は主に構造用合板や集成材が用いられ、金属の場合は鋼材が一般的です。その名の由来は、材木の端の部分を切り落とした「端材（はざい）」が訛ったもの、あるいは材木の断面が「バターナイフ」に似ていることから来ているという説もあります。

土木工事において、バタ角は欠かせない存在です。コンクリート構造物を構築する際に用いる型枠を補強するために、バタ角が用いられます。コンクリートを流し込む型枠は、コンクリートの重さや圧力に耐えうる強度が求められます。そこで、バタ角を型枠の支柱として用いることで、型枠の変形や崩壊を防ぎ、正確な形状のコンクリート構造物を作り上げることができるのです。また、トラックの荷台に積まれた資材が荷崩れしないように、バタ角を枕木として使用するケースも見られます。さらに、土砂崩れを防ぐための土留め工事にも、バタ角は活躍します。地面に打ち込んだバタ角が、土圧に抵抗することで、地盤の安定性を確保するのです。

重量物を支える「りん木」としても、バタ角は重宝されます。例えば、重量物をクレーンで吊り上げる際、吊り荷とクレーンのフックの間にバタ角を挟むことで、吊り荷へのダメージを軽減することができます。また、機械の設置や運搬時にも、バタ角をりん木として用いることで、機械の安定性を確保し、作業の安全性を高めることができます。

土木工事だけでなく、DIYの場面でもバタ角は活躍します。ホームセンターなどで手軽に入手できるため、棚や机などの家具作り、ガーデニングにおける花壇の枠組み、さらにはちょっとした工作など、様々な用途で活用できます。木材のバタ角は加工しやすく、釘やネジで簡単に固定できるため、DIY初心者にもおすすめです。また、金属製のパイプを指してバタ角と呼ぶ場合もあり、DIYで金属加工を行う際にも役立ちます。

近年では、環境への配慮から、木材のバタ角には間伐材や製材時に発生する端材を利用した製品も増えてきています。これにより、森林資源の有効活用とCO2排出量の削減に貢献しています。

このように、バタ角は私たちの生活を支える様々な場面で活躍する、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。一見地味な存在ですが、その用途は実に多岐に渡り、私たちの生活を陰ながら支えています。次に工事現場やDIYショップでバタ角を見かけた際には、その多様な用途に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。