日本型食生活 いつ頃？

日本型食生活の変遷

日本型食生活は、1980年代に提唱された食事パターンです。この当時、日本人の死亡率は低下傾向にありましたが、心血管疾患や脳卒中などの生活習慣病が問題になっていました。そこで、日本人の伝統的な食習慣を見直した結果、米を中心とした主食と、魚介類、肉、乳製品、野菜、海藻、豆類、果物などの副食をバランス良く摂取する「日本型食生活」が提唱されました。

この食生活は、低脂肪で高炭水化物であり、食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルをバランス良く摂取することができました。また、魚介類や大豆製品には、生活習慣病の予防に効果があるとされるオメガ3脂肪酸やイソフラボンが多く含まれていました。

この結果、日本人の死亡率はさらに低下し、寿命が延びました。日本型食生活は、理想的な栄養バランスの食事として、世界でも注目を集めました。

しかし、1990年代以降、日本人の食生活は変化しました。欧米の食文化の影響を受け、肉や乳製品の摂取量が増加し、一方で主食である米の摂取量が減少しました。また、外食やコンビニ食が増加したことで、塩分や脂肪分の摂取量も増加しました。

このような食生活の変化により、日本人の健康状態も変化しました。心血管疾患や脳卒中などの生活習慣病が増加し、糖尿病や肥満などの問題も深刻になってきました。

そこで、2005年に厚生労働省は「健康日本21」という国民の健康増進のための施策を策定しました。この施策では、日本型食生活を基本とした食事の改善が重要な目標として掲げられました。

日本型食生活は、健康的な食事パターンの1つです。しかし、現代の日本人の食生活は、高脂肪化や野菜不足など、栄養バランスの偏りが問題になっています。健康的な生活を送るためには、日本型食生活の伝統的な部分を継承しつつ、現代の栄養学の知見を活かした食事を心がけることが大切です。