食後のお椀の蓋の置き方は?

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食事後のお椀は、蓋を元通りにかぶせて置きましょう。蓋を裏返して置くのは失礼にあたります。また、貝殻は椀の中に残し、蓋に置くのは避けましょう。清潔感とマナーを意識した、正しい蓋の扱い方を心がけてください。

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食後のお椀の蓋:美しさと心遣いを添える作法

食事の締めくくり、お椀の蓋の置き方一つにも、その人の品格や相手への配慮が表れます。何気ない動作ではありますが、正しい作法を知っておくことで、より洗練された印象を与えることができるでしょう。インターネット上では簡潔な情報しか見つからないことも多いですが、ここでは、さらに深く掘り下げて、食後のお椀の蓋に込められた意味と、状況に応じた適切な対応について解説します。

基本は「元通り」:感謝の気持ちを込めて

まず基本となるのは、食事を終えたお椀の蓋は、元通りに、つまり食事前と同じようにかぶせて置くということです。これは、料理を作ってくれた人、食材を提供してくれた自然への感謝の気持ちを表す行為とされています。蓋をすることで、料理の余韻を閉じ込め、感謝の気持ちを静かに伝えるのです。

裏返して置くのはなぜNG?:「もういらない」のサイン

蓋を裏返して置く行為は、一般的に「もうおかわりは結構です」という意思表示と解釈されます。もし、本当に「もういらない」という意思を伝えたいのであれば有効ですが、特に何も考えていない場合や、おかわりを期待している場合に裏返して置くと、誤解を生む可能性があります。フォーマルな場では特に避けるべきでしょう。

状況に応じた対応:臨機応変な心遣いを

ただし、状況によっては、蓋を元通りにかぶせるのが必ずしも最適とは限りません。例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 会席料理など、次の料理が運ばれてくる場合: このような場合、仲居さんが食器を片付けやすいように、蓋を少しずらして置くのが一般的です。完全に蓋を閉めてしまうと、仲居さんが蓋を開ける手間が増えてしまいます。
  • 蓋が熱くて持ちにくい場合: 無理に蓋をかぶせようとすると、手を滑らせてしまう可能性があります。熱い場合は、少し時間をおいて冷めてから蓋をかぶせるか、周りの人に手伝ってもらうのも一つの方法です。
  • お椀に傷をつけたくない場合: 稀に、お椀と蓋の素材によっては、蓋をかぶせる際に傷がついてしまうことがあります。このような場合は、蓋を少し浮かせるか、お椀の横にそっと置いておくのも良いでしょう。

貝殻などの「始末」:美意識と衛生観念

貝殻などの食べ残しが出た場合、お椀の中に残しておくのが基本です。蓋の上に置くのは、見た目にも衛生的にも好ましくありません。もし、どうしても蓋の上に置きたい場合は、懐紙などを敷いてから置くようにしましょう。

まとめ:美しい所作は、美しい心から

食後のお椀の蓋の置き方一つにも、様々な意味と配慮が込められています。単に形式的なマナーとして捉えるのではなく、相手への感謝の気持ちや、美しい所作を心がけることで、より豊かな食体験へと繋がるでしょう。状況に応じて臨機応変に対応し、常に相手への心遣いを忘れずに、食事の締めくくりを美しく彩りましょう。