賃貸でタバコを吸ったら原状回復はどうなるの？

賃貸でタバコを吸ってしまった！原状回復はどうなる？泣き寝入りしないために知っておくべきこと

賃貸物件でうっかりタバコを吸ってしまった…そんな時、気になるのが退去時の原状回復費用です。「ちょっとくらいなら大丈夫だろう」と安易に考えていると、思わぬ高額請求に繋がりかねません。この記事では、賃貸物件における喫煙と原状回復義務について、詳しく解説していきます。

まずは賃貸契約書を隅々までチェック！「喫煙禁止」の文言を見逃すな

最も重要なのは、賃貸契約書の内容です。契約書に「喫煙禁止」や「禁煙」といった文言、もしくはそれに準ずる内容が明記されている場合、室内での喫煙は契約違反となります。特に、特約として喫煙禁止の条項が記載されている場合は、その効力が強くなることを覚えておきましょう。

「契約自由の原則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？これは、当事者間で自由に契約内容を決定できるという原則です。つまり、借主に不利な特約であっても、双方合意の上で契約が成立していれば、原則として有効となります。喫煙者にとっては厳しい現実ですが、契約内容をよく確認せずに喫煙してしまった場合、高額な原状回復費用を請求される可能性が高まります。

「喫煙禁止」の記載がない場合でも安心は禁物！

契約書に明確な喫煙禁止の記載がない場合でも、油断はできません。なぜなら、タバコの煙や臭いは、壁や天井、カーテンなどに染み付きやすく、他の入居者の迷惑になる可能性があるからです。退去時に、タバコの臭いやヤニ汚れが著しいと判断された場合、通常の清掃では原状回復が難しいと判断され、張り替え費用などを請求されることがあります。

原状回復費用の相場は？喫煙によって発生する具体的な費用

喫煙によって発生する原状回復費用は、タバコの臭いやヤニ汚れの程度、喫煙期間、物件の広さなどによって大きく異なります。一般的に、以下のような費用が発生する可能性があります。

• 壁紙の張り替え: 壁紙全体、もしくは部分的な張り替え費用。一部屋あたり数万円～数十万円かかることも。
• 天井の張り替え: 壁紙と同様に、ヤニ汚れが酷い場合は張り替えが必要となる。
• 畳の交換: 畳に臭いが染み付いている場合は、交換費用が発生する。
• カーテン・ブラインドのクリーニング・交換: 臭いが染み付いている場合は、クリーニングまたは交換が必要となる。
• ハウスクリーニング: 徹底的な清掃を行うことで、臭いを軽減させる。

泣き寝入りしないために！原状回復費用の交渉術

高額な原状回復費用を請求された場合、必ずしも言いなりになる必要はありません。以下の点を踏まえて、交渉してみましょう。

• 見積もりの明細を確認: 具体的な費用の内訳を明確にしてもらい、不当な請求がないか確認する。
• 国土交通省のガイドラインを参照: 国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に、費用負担の範囲を確認する。
• 複数の業者に見積もりを依頼: 提示された金額が適正かどうかを判断するために、複数の業者に見積もりを依頼する。
• 弁護士や消費者センターに相談: 交渉が難航する場合は、専門家の意見を仰ぐことも検討する。

喫煙者にとって賃貸物件選びは慎重に！

喫煙者にとって、賃貸物件選びは特に慎重に行う必要があります。契約書の内容を隅々まで確認し、喫煙に関する条項がないか、また喫煙可能な場所が設けられているかなどを確認しましょう。どうしても室内で喫煙したい場合は、喫煙可能な物件を探すか、加熱式タバコや電子タバコなど、臭いの少ないものを使用するなどの対策を講じることをおすすめします。

後悔しないためにも、入居前にしっかりと確認し、ルールを守って快適な賃貸生活を送りましょう。