海外で支払った医療費を返還してもらうには?

5 ビュー

海外で病気やケガの治療を受け、医療費を支払った場合、日本の健康保険組合に「海外療養費」を申請できます。 必要な書類を準備し、手続きを行うことで、支払った医療費の一部が払い戻されます。 ただし、事前に認められた治療や、保険適用外の費用は対象外となる場合がありますので、詳細を保険組合に確認しましょう。

コメント 0 好き

海外で支払った医療費を返還してもらうには?

海外旅行中に病気やケガで治療を受け、医療費を支払った経験を持つ方は少なくないでしょう。せっかく海外で過ごしているのに、治療費で出費が増えてしまうのは、誰にとっても気がかりなものです。しかし、日本の健康保険組合では、一定の条件を満たせば、海外で支払った医療費の一部を返還(「海外療養費」の申請)してくれる制度があります。

この制度を利用して、治療費の負担を軽減し、安心して海外旅行を楽しめるように、申請に必要な手続きや注意点について解説します。

申請の対象となる費用と、そうでない費用

まず、申請対象となる費用は、日本の健康保険組合の規約によって異なります。一般的に申請対象となるのは、海外で実際に治療を受けた医療費です。診察料、検査費用、入院費用、薬代などが含まれます。ただし、以下のような費用は対象外となるケースが多いので、事前に各健康保険組合に確認することが重要です。

  • 事前に認められていない治療費用: 自分で判断して受診した治療や、保険組合が承認していない治療法で発生した費用は、原則として対象外となります。
  • 保険適用外の費用: 健康保険適用外の費用(例えば、高い技術が必要な特殊な治療)は、返還の対象にならない場合があります。
  • 個人的な判断による費用: 旅費、宿泊費、食費といった治療とは直接関係のない費用は、対象外です。
  • 海外旅行保険の適用を受けた費用: 海外旅行保険が適用されている場合、健康保険組合の海外療養費と重複して請求することはできません。どちらか片方しか申請できないケースもあるため、注意が必要です。

申請に必要な書類と手続き

申請に必要な書類は、健康保険組合によって異なりますが、一般的には以下の書類が求められます。

  • 海外療養費請求書: 健康保険組合から発行された用紙を使用します。
  • 治療の記録(受診明細書など): 海外の医療機関からの診療明細書や領収書、検査結果などです。これらの書類は、日本語に翻訳する必要がある場合もあります。
  • 海外旅行保険の証明書(該当する場合): 海外旅行保険が適用されている場合は、保険証券の写しなどが必要です。
  • パスポートのコピー: 旅程の確認や、滞在期間の確認に必要となります。
  • その他: 健康保険組合の指示に従って、必要に応じてその他書類を提出する必要があります。

これらの書類を準備し、健康保険組合に提出することで、申請手続きが開始されます。健康保険組合が指定した方法で書類を提出してください。郵送、FAX、オンライン申請など、提出方法は健康保険組合によって異なります。

申請前に確認すべきポイント

申請前に、必ず以下の点を健康保険組合に確認することが大切です。

  • 申請の締め切り日: 申請期限を必ず確認しましょう。
  • 必要な書類の具体例: 健康保険組合が求める書類の具体例を事前に確認しておくと安心です。
  • 申請に関する質問窓口: 連絡先や問い合わせフォームなどを把握しておきましょう。
  • 医療機関の情報: 海外の医療機関名、住所、電話番号などを正確に記録しておきましょう。
  • 治療内容: 治療内容や診断結果が、日本の健康保険の適用範囲に該当するか確認しましょう。

まとめ

海外で医療費を支払った場合、海外療養費の申請制度を利用して一部を返還してもらうことが可能です。しかし、申請対象外となるケースや必要な書類、手続き方法は健康保険組合によって異なるため、必ず事前に確認する必要があります。

申請前に必要な情報を正確に集め、申請手続きをスムーズに進めることで、海外での医療費負担を軽減することができます。安心して海外旅行を楽しめるよう、事前にしっかりと準備を行いましょう。