両家顔合わせで上座はどっちですか？

両家顔合わせ、いよいよその時が来ましたね。お互いの親御さんとの最初の公式な出会い。緊張も高まりますが、その成功のカギを握る一つに「席順」があります。 「上座はどこ？」「誰がどこに座るべき？」と、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、両家顔合わせにおける上座と、それにまつわるマナーについて、より深く掘り下げて解説します。

結論から言うと、両家顔合わせにおける上座は、一般的に入口から最も遠い席です。これは、古くから続く日本の座礼の習慣に由来します。玄関から遠い席ほど、部屋の中央に近く、また、部屋全体を見渡せる位置にあることから、最も重要な位置とされてきました。 つまり、最も敬意を表するべき方に、この上座を用意するのが基本です。

しかし、単に「入口から遠い席＝上座」と考えるだけでは不十分です。実際には、複数の要素を考慮する必要があります。まず、目上の方を優先します。これは、年齢や社会的地位に基づいて判断されます。例えば、男性側の親御さんが社長で、女性側の親御さんが専業主婦という場合、男性側の親御さんが上座に座るのが適切です。

次に、女性側を下座に配慮するという慣習があります。これは、古くからの日本の家父長的な考え方が根強く残っているためです。 現代においては、男女平等が叫ばれる時代ですが、この慣習は未だに多くの場面で見られます。 そのため、上座は男性側の親御さん、下座は女性側の親御さんが座るケースが一般的です。

しかし、これはあくまでも一般的なケースです。両家の状況によっては、この原則に当てはまらないこともあります。例えば、女性側の親御さんのほうが社会的な地位が高かったり、年齢が高かったりする場合は、上座を女性側の親御さんに譲ることも考えられます。 重要なのは、お互いを尊重し、失礼のないように配慮することです。

具体的に、円卓の場合を考えてみましょう。円卓では、入口から最も遠い席が上座となりますが、その反対側の席が下座となります。 そのため、男性側の親御さんは入口から遠い席、女性側の親御さんは入口に近い席に座ることになります。 もし、両家の親御さんが同年齢で同等の社会的地位であった場合は、男性側をやや上座に配慮しつつ、なるべく対等な位置に座らせるように配慮することも重要です。

さらに、席順を決める際には、事前に両家の親御さんと相談することも大切です。 特に、こだわりのある方や、何か特別な事情がある場合は、事前に確認することで、当日のトラブルを防ぐことができます。 「事前に相談して決める」という行為自体が、お互いを尊重する姿勢を示すことになり、良好な関係を築くための第一歩となるでしょう。

最後に、席順はあくまでも形式的なものです。大切なのは、親御さん同士がリラックスして、楽しい時間を過ごせるようにすることです。 堅苦しい雰囲気ではなく、笑顔と温かい雰囲気で迎え入れることが、成功への近道と言えるでしょう。 席順に神経質になりすぎることなく、気持ちのこもったおもてなしを心掛けましょう。 それが、最高の両家顔合わせとなるはずです。