仲の良い夫婦は何割くらいですか？

仲の良い夫婦は何割？幸せな結婚生活の維持、その実態と課題

「仲の良い夫婦」とは一体どれくらいの割合なのでしょうか？ 明確な定義がないため、数字だけで断定することはできませんが、日本の現状を様々なデータから分析することで、その輪郭を捉えることができます。冒頭で述べられた「日本の夫婦の満足度は66.3％」という数字は、ある調査における結果であり、これが「仲の良い夫婦の割合」を直接示すものではありません。満足度が高いからといって、必ずしも「仲が良い」とイコールではありません。喧嘩はしないけれど、お互いの距離が離れている夫婦も存在するからです。 逆に、些細なことで喧嘩をしても、お互いを深く理解し、愛し合っている夫婦もいるでしょう。

では、この66.3％という数字をどう解釈すべきでしょうか？ これは、夫婦生活に概ね満足している、もしくは不満を感じていないと回答した夫婦の割合を示していると考えられます。しかし、この数値は年々減少傾向にあり、特に高齢世代の低下が著しいことは、深刻な問題です。2021年比で8ポイントの減少、60代では男女ともに10ポイント以上の低下は、単なる数字以上の意味を持ちます。長年連れ添ってきた夫婦関係が、高齢化とともに徐々に希薄になっていくという現実を反映していると言えるでしょう。

この減少の背景には、様々な要因が考えられます。まず、経済的な問題です。年金生活への不安や医療費の高騰は、夫婦関係に大きなストレスを与える可能性があります。健康問題も深刻な要因です。介護が必要になった場合、介護する側、される側、双方の負担は想像をはるかに超えるものであり、夫婦関係に亀裂を入れるケースは少なくありません。さらに、価値観のずれも無視できません。若い世代と違い、高齢世代は、価値観の変化に適応するのが難しいケースも多く、世代間のギャップが夫婦関係に影響を与える可能性があります。

一方、「仲の良い夫婦」を定義しようとすると、様々な要素が絡み合っていることが分かります。単に満足度が高いだけでなく、互いに尊重し合い、信頼し合い、支え合う関係、そして、共通の目標や楽しみを持つ関係などが挙げられます。 これらの要素は、年齢やライフステージに関わらず、良好な夫婦関係を築く上で重要な鍵となるでしょう。

では、どうすれば良好な関係を維持できるのでしょうか？ 専門家の中には、定期的なコミュニケーション、共通の趣味を持つこと、お互いの自立性を尊重すること、そして、必要に応じて専門機関のサポートを受けることなどを推奨しています。 夫婦間の問題解決のためのカウンセリングや、高齢者のための介護支援サービスは、夫婦関係の維持に大きな役割を果たすはずです。

政府や自治体による支援策も必要不可欠です。経済的な支援、介護サービスの充実、そして、夫婦関係に関する相談窓口の拡充など、具体的な政策によって、高齢世代を含む全ての夫婦が幸せな結婚生活を送れるよう、社会全体でサポートしていく必要があります。 66.3％という数字は、決して悲観する理由ではなく、より良い夫婦関係を築くための改善点を探るための、重要な指標なのです。 幸せな夫婦関係は、個人の幸福だけでなく、社会全体の幸福度を高める上で重要な要素であることを忘れてはなりません。