共働きの夫婦の世帯主は年末調整でどちらになりますか？

共働きの夫婦世帯における年末調整の世帯主は、住民票に記載されている世帯主です。これは法律上明確に定められており、個人の所得税の申告や税額計算に大きく影響します。単に収入が多い方、あるいは家計を主に管理している方が世帯主になるわけではない点に注意が必要です。 税務署が参照するのは住民票であり、そこに記載された世帯主が年末調整の書類にも記載されるべきなのです。

では、住民票の世帯主はどのように決定されるのでしょうか？ 多くの場合、婚姻届提出時に夫婦で話し合って決定されますが、特に明確なルールはありません。 戸籍法上、世帯主の決定は世帯員全員の合意に基づいて行われると解釈されることが一般的です。そのため、どちらかが一方的に世帯主を決められるわけではなく、夫婦間の合意が重要となります。

例えば、結婚前に夫が賃貸住宅に住んでおり、結婚後もその住所を維持し、妻が夫の住所に移り住むケースでは、夫が世帯主となることが多いです。一方、妻が既にマイホームを所有しており、結婚後もその住所を維持し、夫が妻の住所に移り住む場合、妻が世帯主となる可能性が高いです。 あるいは、結婚後に新たに住宅を購入し、その所有者が妻である場合も、妻が世帯主となるケースが見られます。

しかし、住民票上の世帯主と実際の生活実態が必ずしも一致するとは限りません。家計管理を妻が行い、住宅ローンも妻名義であっても、住民票に世帯主として夫の名前が記載されていれば、年末調整では夫が世帯主となります。 この点、混乱が生じやすい部分であり、税務署に問い合わせる前に、まず自身の住民票を確認することが最善策です。

住民票の確認方法は、市区町村役場へ直接赴くか、住民票の写しを郵送で請求する方法があります。 マイナンバーカードをお持ちであれば、マイナポータルからも住民票の写しを取得できる場合もあります。 住民票を確認することで、間違いなく世帯主を特定し、年末調整をスムーズに進めることができます。

年末調整において、世帯主の記載ミスは、税金還付額や追加徴収額に影響する可能性があります。 正確な情報を記載することで、不必要なトラブルを回避することができます。 したがって、年末調整を行う前に、住民票を確認し、記載事項に間違いがないか、十分に確認することが重要です。

さらに、世帯主の変更を検討する場合、市区町村役場に手続きを行う必要があります。 手続きに必要な書類や手順については、各市区町村役場に直接お問い合わせください。 変更手続きには一定の期間を要する場合もありますので、年末調整時期を考慮した上で、余裕を持って手続きを行うことをお勧めします。

結論として、共働きの夫婦の年末調整における世帯主は、住民票に記載されている世帯主であることを再確認し、正確な情報に基づいて年末調整を行うことが不可欠です。 不明な点があれば、税務署や市区町村役場へ相談することを躊躇せず、正確な申告を心がけてください。