共働き夫婦の手取り額は平均いくらですか?

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共働き世帯の平均年収825万円に対し、税金や社会保険料控除後の手取り額は約660万円です。月額約55万円の手取りはゆとりある生活を可能としますが、支出と幸福度を比較した上で、最適な年収かどうかは個々のライフスタイルに依存します。高収入ゆえの税負担や生活コスト増加も考慮すべきでしょう。
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共働き夫婦の手取り額:幸せの尺度は年収だけではない

共働き世帯が増える現代日本において、「手取り額」は生活の質を大きく左右する重要な指標です。平均的な共働き夫婦の手取り額はどのくらいなのか、そしてその金額が本当に幸せな生活を送るための十分な額なのかを、様々な視点から考察してみましょう。

冒頭でも触れたように、平均的な共働き世帯の年収は約825万円としばしば報道されています。しかし、この数字だけでは、実際の生活レベルを正確に把握することはできません。なぜなら、私たちが自由に使えるお金は、税金や社会保険料を差し引いた「手取り額」だからです。 年収825万円の場合、税金や社会保険料を差し引いた手取り額は約660万円と推定されます。これは月額約55万円に相当し、一見するとゆとりある生活を送れそうに思えます。実際に、住宅ローンや教育費、食費、光熱費などを支払った後でも、旅行や趣味、貯蓄に回せる金額は確保できるでしょう。

しかし、この「約55万円」という数字が、すべての共働き夫婦にとって「幸せ」を保証する金額であるとは断言できません。 幸せの定義は人それぞれであり、年収や手取り額だけが幸福度の尺度ではないからです。

例えば、東京23区内などの高額な住宅地に住む共働き夫婦にとって、55万円の手取りでは、住宅ローンや生活費の圧迫を感じ、常に経済的な不安を抱える可能性があります。一方、地方都市で生活する夫婦であれば、同じ55万円でも、比較的ゆとりある生活を送ることができ、精神的な余裕も生まれるでしょう。

また、子どもがいるかどうかも大きな影響を与えます。子どもが複数いる場合、教育費や養育費などの負担が大きく増えるため、55万円の手取りではギリギリの生活となる可能性が高いです。逆に、子どもがいない夫婦であれば、より自由に使えるお金が増え、旅行や趣味、自己投資などに充てることで、豊かな生活を実現できるでしょう。

さらに、ライフスタイルにも大きく依存します。高級志向でブランド品を好む夫婦と、質素倹約を心がける夫婦では、同じ手取り額でも感じる豊かさが大きく異なります。 高収入であるがゆえに、交際費や外食費などの支出が増え、かえって貯蓄が少なくなるというケースも珍しくありません。

そして重要なのは、高収入に伴う税負担の増加です。年収が上がれば、所得税や住民税の負担も増えます。また、高額所得者向けの保険料なども考慮しなければなりません。 これらの負担を差し引いた上で、本当に手取り額が増えているのかを計算してみる必要があります。

結論として、共働き夫婦の手取り額の平均値は一つの指標に過ぎず、それが「幸せ」を保証するものではありません。 自身のライフスタイル、居住地、家族構成、そして価値観を踏まえた上で、最適な年収や生活レベルを考えることが重要です。 単に数字を追いかけるのではなく、自分たちが本当に幸せだと感じる生活を設計することが、真の豊かさにつながるのではないでしょうか。 そのためには、家計簿をつける、将来設計を綿密に行う、そして定期的に自分のライフスタイルを見直すといった努力が必要となるでしょう。