結婚する女性は何歳が多い？

結婚する女性は何歳が多い？～晩婚化が進む日本で、20代の結婚観を探る～

日本の女性の初婚年齢は上昇を続けており、晩婚化が社会現象となっています。厚生労働省の調査によると、2022年の女性の平均初婚年齢は29.7歳。一見すると、30歳前後で結婚する女性が多いように思えますが、実は平均値だけでは見えてこない実態があります。平均値は極端な値に影響されやすいため、結婚する女性の年齢分布をより正確に捉えるには、中央値や最頻値（モード）も考慮する必要があります。

実は、初婚のピーク年齢は27歳で、2002年から変化していません。つまり、最も多くの女性が結婚する年齢は27歳であり、この数字は20年間も変わっていないのです。一方、平均初婚年齢が上昇しているということは、少数ながらも40代、50代で初婚を迎える女性が増えていることを示唆しています。晩婚化の影響で平均値が押し上げられている一方で、多くの女性は依然として20代後半、特に27歳で結婚という人生の節目を迎えているのです。

では、なぜ27歳という年齢が初婚のピークとなっているのでしょうか？いくつかの要因が考えられます。

一つは、大学卒業後、数年働き、経済的な基盤を築いてから結婚を考える女性が多いという点です。22歳で大学を卒業し、3～5年社会経験を積むと、ちょうど27歳前後になります。キャリアを積み、ある程度の収入を得てから結婚に踏み切る女性が多いのは自然な流れと言えるでしょう。

また、27歳という年齢は、生物学的な観点からも出産適齢期と重なります。晩婚化が進む一方で、子供を持ちたいという願望を持つ女性は少なくありません。そのため、出産のリスクを考慮すると、20代後半での結婚を選択する女性が多いと考えられます。

さらに、社会的なプレッシャーも影響している可能性があります。「30歳までに結婚」という旧来の価値観は薄れつつあるものの、周囲の友人や親族の結婚、出産を目の当たりにすることで、焦りを感じ、20代後半での結婚を決意する女性もいるかもしれません。

しかし、近年では結婚に対する価値観も多様化しています。結婚を必ずしも人生の目標としない女性、あるいは事実婚を選択するカップルも増加しています。結婚という形にこだわらず、パートナーとの関係性を重視する傾向が強まっていると言えるでしょう。

このように、結婚する女性の年齢は多様化しており、一概に「何歳が多い」と断言することはできません。平均値だけを見るのではなく、ピーク年齢や社会背景、個々の価値観の変化などを考慮することで、現代の結婚観をより深く理解することができるでしょう。今後、晩婚化がさらに進むのか、あるいは新たな結婚のスタイルが定着していくのか、注目すべき点です。結婚というライフイベントに対する柔軟な考え方が、より一層求められる時代になっていると言えるでしょう。