結納返しの現金の渡し方は？

結納返しの現金を渡す。失礼なく、心に残る渡し方とは？

結納という人生の節目。女性側から男性側へ贈られる結納に対して、感謝と誠意を込めて行われるのが結納返しです。特に現金を包む場合、その渡し方一つで相手への印象は大きく変わります。単に金封に入れて渡すだけでなく、細やかな心遣いを示すことで、両家の絆をより一層深めることができるでしょう。

既に基本的なマナーとして、金封に入れ、白木台や黒塗りの盆に載せて渡す、袱紗や風呂敷を用いるといった方法が知られています。しかし、それらに加えて、さらに相手を思いやる気持ちを伝えるためのポイントをいくつかご紹介します。

1. 金封選びは慎重に：

水引は「結び切り」のものを選びましょう。これは、一度結んだらほどけないという意味を持ち、二度と繰り返さないお祝い事に用いられます。表書きは「寿」または「結納御袴料」とするのが一般的です。金額に見合った金封を選ぶことも大切です。あまりに質素な金封では、かえって失礼にあたる場合もあります。最近では、デザイン性の高い金封も多くありますが、格式を重んじる場であることを考慮し、落ち着いた上品なものを選びましょう。

2. 現金の入れ方にも気を配る：

お札の向きを揃えるのは基本中の基本です。肖像が上になるように入れ、新札を用意するのが理想的です。新札を用意することで、お祝いの気持ちを表し、相手への敬意を示すことができます。もし新札が用意できない場合は、できるだけ綺麗なお札を選び、アイロンを軽くかけるなどの工夫をしても良いでしょう。

3. 渡すタイミングと言葉遣い：

結納返しの儀式においては、タイミングが重要です。仲人がいる場合は、仲人の指示に従い、タイミングを見計らって渡しましょう。直接渡す場合は、「ささやかではございますが、お納めください」や「心ばかりのものですが、お受け取りください」といった謙譲語を用いた丁寧な言葉遣いを心がけましょう。緊張するかもしれませんが、笑顔で感謝の気持ちを伝えることが何よりも大切です。

4. 袱紗や風呂敷の色と素材：

袱紗や風呂敷の色は、慶事の色である赤や紫、ピンクなどが一般的です。素材は、正絹や縮緬など、上質なものを選ぶとより格式が高まります。袱紗は、金封を包むだけでなく、台に載せて渡す際に金封の下に敷くことで、より丁寧な印象を与えることができます。風呂敷は、持ち運びの際に金封を保護するだけでなく、贈る側の心遣いを伝える役割も担います。

5. 地域の風習も考慮する：

結納返しは、地域によって風習や慣習が異なる場合があります。事前に両家の親御さんや、地域に詳しい方に相談し、地域の風習に合わせた形式で結納返しを行うようにしましょう。地域の風習を尊重することは、相手への敬意を示すことにもつながります。

結納返しは、単なる贈り物ではなく、両家の絆を深めるための大切な儀式です。 現金を渡す際には、上記のような点に注意し、感謝の気持ちと誠意を込めて、心に残る結納返しを行いましょう。そして、これから始まる新しい生活に向けて、両家で協力し、幸せな家庭を築いていくことを願っています。