「来てくださいまして」は敬語ですか?

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「来てくださいまして」は、「来てもらう」の敬語表現です。「お越しいただき」は、「来る」の尊敬語「お越し」と、「もらう」の謙譲語「いただく」から構成される丁寧な言い回しです。相手に敬意を払いながら、来てもらったことへの感謝を伝える際に適しています。

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「来てくださいまして」は本当に敬語? ちょっと深掘りしてみた

「来てくださいまして」という表現、日常会話やビジネスシーンで耳にする機会も多いのではないでしょうか? 一見、丁寧な言い回しに聞こえますが、本当に敬語として適切なのか、少し掘り下げて考えてみましょう。

結論から言うと、「来てくださいまして」は、状況によっては不適切な敬語となる可能性があります。なぜなら、「来て」の部分が「来る」という動詞の命令形「来て」に、補助動詞「くださる」の連用形「ください」が接続された形だからです。これは、「来てください」という命令を柔らかくした表現であり、目上の人に使うには直接的すぎる印象を与えかねません。

では、なぜ丁寧に聞こえるのでしょうか?

それは、「くださいまして」という部分にあります。「ください」は、「~してください」という依頼の形を作るだけでなく、「~してくれてありがとう」という感謝の気持ちも込められています。そのため、「来てくださいまして」全体としては、相手が来てくれたことに対する感謝の気持ちを含んだ表現として受け取られることが多いのです。

しかし、やはり命令形である「来て」が含まれているため、相手によっては失礼に感じられる可能性があります。特に、立場が非常に高い相手や、フォーマルな場面では避けた方が無難でしょう。

より適切な敬語表現は?

より適切な敬語表現としては、以下のものが挙げられます。

  • お越しいただきありがとうございます: これは「来る」の尊敬語である「お越しになる」に、「もらう」の謙譲語である「いただく」を組み合わせた、非常に丁寧な表現です。相手が来てくれたことへの感謝と敬意を同時に示すことができます。
  • おいでいただきありがとうございます: 「おいでになる」も「来る」の尊敬語で、「お越しいただきありがとうございます」と同様に、敬意を払いながら感謝の気持ちを伝えることができます。
  • お運びいただきありがとうございます: これは、特に遠方から来てくれた場合や、労力をかけて来てくれた場合に適した表現です。「お運びいただく」という言葉には、相手が移動する行為に対する敬意が含まれています。
  • ご来場いただきありがとうございます: イベントや催し物など、特定の場所に来てもらった場合に適した表現です。

まとめ

「来てくださいまして」は、必ずしも間違いではありませんが、使用する場面や相手を選ぶ必要があります。より丁寧な表現である「お越しいただきありがとうございます」などを状況に応じて使い分けることで、よりスマートで相手に失礼のないコミュニケーションを心がけましょう。

敬語は、相手への敬意と感謝の気持ちを伝えるための大切なツールです。場面や相手に合わせた適切な表現を選び、より円滑な人間関係を築いていきましょう。