病院に「様」をつけるのは正しいですか？

病院に「様」をつけるのは正しい？ – 敬称の適切な使い方を解説

病院を受診する際、あるいは病院関係者と接する際に、「病院に『様』をつけて良いのだろうか？」と疑問に思ったことはありませんか？ 日常生活で敬意を払うべき相手に対して「様」をつけるのは自然な行為ですが、相手が組織や団体である場合、その使い方は少し異なります。

結論から言うと、病院そのものに「様」をつけるのは基本的に不適切です。 例えば、「○○病院様」と表現するのは誤りとなります。

では、病院関係者に敬意を払う場合はどうすれば良いのでしょうか？ ポイントは、個人名に対して「様」をつけるということです。

例えば、病院長宛に手紙やメールを送る場合、「○○病院 院長 ○○様」と記載するのが正しい表現です。役職である「院長」に重ねて「様」をつける必要はありません。「院長様」という表現は、場合によっては過剰な敬意表現と捉えられ、かえって不自然に感じられることもあります。

同様に、看護師長や事務長などの役職名にも「様」はつけません。「○○看護師長様」ではなく、「○○看護師長 ○○様」と表現しましょう。

なぜ、役職名に「様」をつけるのが不適切なのでしょうか？

その理由は、役職名自体が既に敬意を含んだ表現であると考えられるからです。役職名には、その地位や役割に対する敬意が含まれているため、さらに「様」をつけることで、敬意が二重になってしまう可能性があります。

ただし、例外として、相手の個人名が不明な場合、あるいは個人を特定する必要がない場面では、「病院関係者の皆様」「医師の皆様」のように、集団に対して敬意を示す表現を用いることは可能です。

まとめ

病院や役職名そのものに「様」をつけるのは誤りです。個人を特定し、敬意を示す場合は、個人名に「様」をつけましょう。「院長 ○○様」「看護師長 ○○様」のように、役職名は敬称を内包していると考え、重ねて敬称を付ける必要はありません。適切な敬称の使い方を理解し、相手に失礼のないコミュニケーションを心がけましょう。

敬称の使い方は、相手との関係性や場面によっても変わってくる場合があります。状況に応じて柔軟に対応することが大切です。