舞台の上手と下手の覚え方は？

舞台の「上手」「下手」をもう迷わない！ 覚え方のコツと裏話

舞台を鑑賞する際、演出や立ち位置の説明で頻繁に登場する「上手（かみて）」と「下手（しもて）」という言葉。劇場関係者や演劇ファンにとっては当たり前でも、初心者にとっては少し紛らわしいかもしれません。この記事では、舞台の「上手」「下手」の基本的な意味から、混乱しやすいポイント、そして今日から絶対に間違えないための覚え方まで、わかりやすく解説します。

基本は「客席から見て」！

舞台における「上手」と「下手」は、客席から舞台を見たときの左右を指します。つまり、客席から見て右側が「下手」、左側が「上手」となります。

なぜ「上手」「下手」？ その由来を探る

この言葉の由来は、歌舞伎の世界に遡ると言われています。舞台上の役者の出入り口を指す言葉として、舞台中央から見て右側（客席から見て左側）を「上手」、左側（客席から見て右側）を「下手」と呼ぶようになったとされています。

しかし、なぜ「上手」と「下手」という言葉が選ばれたのか、正確な理由は定かではありません。一説には、舞台の構造的な特徴や、役者の立ち位置などが影響したとも言われています。

勘違いしやすいポイント：役者の序列や「上座」との関係

「上手」という言葉から、つい「上手い人が立つ場所」「上座」といったイメージを持ってしまいがちですが、これは間違いです。「上手」「下手」はあくまで舞台上の位置を示す言葉であり、役者の序列や重要度とは関係ありません。

また、歌舞伎などの伝統芸能では、役者が出入りする際の通路（花道など）の位置によって、その役者の序列が示されることもありますが、これは「上手」「下手」という言葉そのものの意味とは異なります。

もう迷わない！ 覚え方のコツ

「上手」「下手」を覚えるための効果的な方法はいくつかあります。

• 手のひらで覚える： 自分の手のひらをパーにして、人差し指から小指までを舞台に見立てます。右手を舞台に見立てたとき、親指側が「下手」、小指側が「上手」となります。左手の場合、親指側が「上手」、小指側が「下手」です。
• 劇場で実践： 実際に劇場に行った際に、舞台を客席から見て、「あちらが上手、こちらが下手」と指差し確認する。これを繰り返すことで、自然と身につきます。
• イメージで覚える： 舞台上に立っている自分を想像し、自分の左手が「上手」、右手が「下手」とイメージする。

さらに深く知るために：舞台用語を学ぼう

「上手」「下手」以外にも、舞台の世界には様々な専門用語が存在します。これらの用語を理解することで、舞台鑑賞がさらに楽しく、深みのあるものになるでしょう。

例えば、「センター（センターステージ）」は舞台の中央部分、「奥」は舞台の一番後ろ、「袖（そで）」は舞台の両脇にある、出演者が待機する場所などを指します。

まとめ：舞台をより深く楽しむために

「上手」「下手」は、舞台を構成する基本的な要素の一つです。この言葉を理解することで、演出意図や役者の立ち位置をより深く理解し、舞台鑑賞をより一層楽しむことができるでしょう。今回ご紹介した覚え方を参考に、ぜひ「上手」「下手」をマスターして、舞台の世界をより深く堪能してください。