ビリビリペンは何ボルト?

0 ビュー

ビリビリグッズの電圧は、種類によって26~31Vp-p程度です。ライター、ボールペン、キーレスリモコン、ホッチキスなど、いずれも人体に影響のない微弱な電流(2~3mA)です。ただし、心臓ペースメーカー使用者などは注意が必要です。

コメント 0 好き

ビリビリペン、その痺れる快感の裏側にある電圧とは?

一見するといたずらグッズのようなビリビリペン。しかし、その内部には、安全に配慮された上で、独特の刺激を生み出す巧妙な仕組みが隠されています。この記事では、ビリビリペンの電圧について、安全性の観点も踏まえながら詳しく解説します。単純に「何ボルトか?」という疑問に答えるだけでなく、その電圧がどのように人体に作用し、安全性確保のためにどのような工夫がされているのかを掘り下げていきます。

まず、結論から述べると、ビリビリペンに用いられる電圧は、一般的に26~31Vp-p(ピーク間電圧)程度です。これは交流電圧であり、直流電圧とは異なることに注意が必要です。Vp-pとは、波形のピークからピークまでの電圧差を示す単位です。直流電圧の表記のように、単に「ボルト」と表記することは、この交流電圧の特性を考慮していないため正確ではありません。

なぜVp-pを用いるのか?それは、ビリビリペンに使われている高周波数の交流電圧の性質によるものです。高周波交流電圧は、時間的に非常に速く変化するため、単純な平均電圧ではその効果を正確に表すことができません。Vp-pは、波形の最大振幅を捉え、その刺激の強さをより正確に表現する指標となるのです。

では、この26~31Vp-pという電圧は、人体にどれだけの影響を与えるのでしょうか? ビリビリペンから流れる電流は、2~3mA(ミリアンペア)程度と非常に微弱です。この微弱な電流が、皮膚表面の感覚神経を刺激し、チクッとした痺れを感じさせるのです。この電流値は、人体に重大な影響を与えるレベルではありません。多くのビリビリグッズ(ライター、ボールペン、キーレスリモコン、ホッチキス等)が同様の電圧と電流で設計されていることも、その安全性を裏付けています。

しかし、安全とは言え、注意すべき点もあります。特に、心臓ペースメーカーを使用している方は、絶対に使用を避けるべきです。ペースメーカーは微弱な電流にも影響を受ける可能性があり、誤作動を引き起こす危険性があります。また、皮膚に傷がある場合や、妊娠中の方なども、使用を控える方が賢明です。

さらに、ビリビリペンの安全性を高めるために、いくつかの工夫が凝らされています。例えば、電極部分の面積を広くすることで、電流密度を低く抑えています。電流密度が高いと、局所的な刺激が強くなり、やけどなどのリスクが高まるため、安全設計において重要なポイントです。また、出力回路には、電流制限回路が組み込まれている場合が多く、過剰な電流が流れるのを防いでいます。

このように、ビリビリペンの電圧は、一見危険に思えるかもしれませんが、実際には安全に配慮して設計されています。しかし、あくまで「微弱な電流」であり、使用にあたっては自己責任で、上記のような注意事項を十分に理解した上で使用することが重要です。安全性を軽視し、改造したり、本来の用途以外で使用したりすることは絶対に避けるべきです。

最後に、ビリビリペンの電圧や電流は製造メーカーや製品によって若干の差がある可能性があります。そのため、本記事で記載されている数値はあくまで一般的な目安として受け止めてください。具体的な数値を確認したい場合は、製品の取扱説明書をよくお読みください。