技適のTとRの違いは何ですか?

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技適マークのTとRは、認証取得の根拠法を示す補助記号です。Tは電気通信事業法、Rは電波法に基づく認証を受けたことを意味します。 IoT機器が電波を発する際に、どちらの法律に準拠して認証を受けたかを示すことで、利用者の理解を助けます。 よって、TとRの有無で機器の法的根拠が明確になります。
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技適マークの「T」と「R」の違い:IoT時代の電波法と電気通信事業法の理解

近年、IoT機器の普及に伴い、私たちの身の回りには様々な電波を発する機器があふれています。これらの機器が安全かつ確実に動作するためには、電波法令に基づいた認証が不可欠です。その認証を受けた証として表示されているのが、技適マークです。しかし、マークをよく見ると「T」や「R」といった補助記号が付されていることに気付くかもしれません。この「T」と「R」は何を意味するのでしょうか?単なる記号ではなく、機器の法的根拠を示す重要な情報なのです。本記事では、この「T」と「R」の違いについて、分かりやすく解説します。

「T」は、電気通信事業法に基づく認証を受けたことを示しています。電気通信事業法は、電気通信役務の提供に関する法律であり、電話やインターネットなどの通信サービスを提供するための機器を規制するものです。この法律に基づいて認証を受けた機器は、通信品質やセキュリティに関する一定の基準を満たしていることが保証されています。具体的には、通信の安定性、相互接続性、セキュリティに関する性能などが審査されます。IoT機器においては、例えば、通信モジュールを搭載し、データを送受信する機器が、この電気通信事業法の適用を受ける可能性があります。 データの暗号化や不正アクセス対策などが、認証の重要な審査項目となるでしょう。

一方、「R」は、電波法に基づく認証を受けたことを示しています。電波法は、電波の利用に関する法律であり、電波を発する機器の電波の強度、周波数、使用用途などを規制するものです。電波法に基づく認証を受けた機器は、電波障害を起こさないこと、人体への影響がないことなど、電波の安全な利用に関する基準を満たしていることが保証されています。IoT機器では、Wi-FiやBluetoothなど、電波を発して通信を行う機能を持つ機器が、この電波法の適用を受けます。 電波の漏洩量や、他の機器への干渉がないかといった点が、認証審査の焦点となります。

両者の違いを分かりやすく例えると、データを送受信する機能(電気通信事業法の対象)と、電波そのものの発射に関する安全性(電波法の対象)という違いと考えて良いでしょう。同じIoT機器であっても、搭載されている機能によって、適用される法律、そして技適マークに付される補助記号が異なる可能性があります。例えば、Wi-Fiを通じてデータをやり取りするスマートスピーカーは、「T」と「R」の両方の記号が付されている可能性が高いでしょう。これは、通信機能と電波発射機能の両方に対応する必要があるためです。

「T」と「R」の有無は、機器の法的根拠を明確に示すだけでなく、その機器がどのような規制を受けているのか、そしてどのような安全基準を満たしているのかを理解する上で重要な情報となります。消費者は、機器を購入する際に、この「T」と「R」の記号を確認することで、より安全で信頼性の高い機器を選択することができるでしょう。 今後ますますIoT機器の普及が進む中、これらの補助記号の理解は、安全なIoT社会を築く上で不可欠な要素と言えるでしょう。 さらに、メーカーにとっても、適切な法律に基づいた認証を取得することは、製品の信頼性向上と市場への参入をスムーズにする上で極めて重要です。