技適マークがついていないものは違反になりますか？

技適マークのない無線機器の使用は本当に違反？ － 知っておくべき電波法とリスク

日本の電波法は、無線機器の電波利用による電波障害の発生を防止し、国民生活の安全と円滑な社会活動を確保するために制定されています。その重要な要素の一つが「技適マーク」です。しかし、技適マークの有無だけで違反かどうかを判断することは、必ずしも正確ではありません。本稿では、技適マークのない機器、特に海外製の動物用発信機（アニマルマーカー）を例に、電波法違反に関するリスクと、法令遵守の重要性について詳しく解説します。

まず、技適マークとは、総務省が技術基準適合証明を受けた無線機器に付されるマークです。このマークは、その機器が日本の技術基準に適合していることを証明しており、合法的に使用できることを示しています。従って、技適マークのない無線機器を使用することは、原則として電波法違反となる可能性が高いです。ただし、「可能性が高い」と述べたのは、例外が存在する可能性があるためです。例えば、特定の無線局免許を受けている場合や、技術基準適合証明の対象外となる機器（非常に低出力など）の場合は、技適マークがなくても違法とは限りません。しかし、一般ユーザーがこれらの例外に該当する機器を判断することは非常に困難です。

特に問題となるのが、海外製の技適マークのない無線機器です。日本語の取扱説明書がなかったり、技術的な情報が不足していたりする場合も多く、それが本当に日本の技術基準に適合しているのか確認が難しいのです。特に、アニマルマーカーのような、野生動物の行動調査など特殊な用途で使われる機器は、日本国内で技術基準適合証明を受けている製品が非常に少ないのが現状です。総務省の調査でも、適合製品が確認されていないケースが多いと報告されています。

これは、海外の技術基準と日本の技術基準が異なる可能性があるためです。周波数帯域や出力などが異なり、日本の無線通信に悪影響を及ぼす可能性があるのです。仮に、海外製品が日本の技術基準に適合していたとしても、それを証明する書類を準備し、総務省への申請などを行う手続きは一般ユーザーには困難です。

そのため、海外製アニマルマーカーに限らず、技適マークのない無線機器を使用することは、電波障害を起こすリスク、そして電波法違反による罰則を受けるリスクを高く負う行為と言えます。罰則は、機器の没収や高額な罰金が科せられる可能性があり、軽視することはできません。

安全で快適な電波環境を維持するためには、無線機器を使用する前に必ず技適マークの有無を確認することが不可欠です。技適マークがない場合は、使用を控え、国内で技術基準適合証明を受けた製品を使用しましょう。法令遵守は、自分自身を守るだけでなく、社会全体を守ることに繋がる重要な行為です。もし、海外製品を使用する必要性がある場合は、輸入業者や販売業者に技術基準適合証明に関する情報を事前に確認し、法令に則った方法で使用するよう心がけましょう。曖昧な状況での使用は避けるべきです。 電波法は複雑な法律ですが、その遵守は社会全体の利益に貢献します。

最後に、不明な点があれば、総務省のホームページや関係機関に問い合わせることをお勧めします。正しい知識を身につけ、安全で合法的な無線機器の使用を心がけましょう。