技適マークの承認期間は？

技適マーク取得までの道のり：承認期間はどれくらい？

IoT機器をはじめとする無線機器が日本国内で合法的に使用されるためには、電波法に基づく技術基準適合証明、通称「技適マーク」の取得が不可欠です。しかし、この技適マーク、申請してから実際に手元に届くまでには、一体どれくらいの時間がかかるのでしょうか？

残念ながら、技適マークの承認期間は、一律に「〇日」と断言することはできません。なぜなら、その期間は個々の案件によって大きく変動するからです。その変動要素は多岐に渡ります。

1. 申請の種類:

• 認証機関による認証 (TELEC等): 一般的に、この方法が最も時間がかかります。必要な書類の準備、試験機関とのやり取り、試験結果の分析、そして最終的な認証取得まで、数週間から数ヶ月を要することがあります。
• 自己認証 (工事設計認証): 製造業者自身が技術基準に適合していることを証明する方式ですが、これは複雑な手続きと厳格な自己評価が求められるため、時間と専門知識が必要となります。

2. 機器の種類と複雑さ:

• 単純な構造の機器よりも、複雑な機能を持つ機器の方が、試験項目が多く、審査も慎重になるため、時間がかかる傾向があります。
• 特に、新たな技術や規格に対応した機器の場合、試験方法の確立や評価に時間がかかることがあります。

3. 試験機関の混雑状況:

• 試験機関は常に一定数の案件を抱えているため、時期によっては混雑していることがあります。特に、年度末や新製品発表の多い時期は、通常よりも時間がかかることを覚悟しておく必要があります。

4. 申請書類の不備:

• 申請書類に不備があると、審査が中断され、再提出を求められることがあります。これは大幅な遅延につながるため、事前にしっかりと確認し、必要な情報を漏れなく正確に記載することが重要です。

5. その他:

• 過去に問題を起こした事業者からの申請は、審査が厳格になる場合があります。
• 海外からの申請の場合、言語の壁や文化の違いなどから、コミュニケーションに時間がかかることがあります。

では、目安となる期間は？

あくまで目安ですが、認証機関による認証の場合、通常は1ヶ月半から3ヶ月程度を想定しておくのが一般的です。ただし、これはあくまで目安であり、上記の変動要素によって大きく前後することを理解しておく必要があります。

少しでも早く技適マークを取得するためにできること:

• 事前にしっかりと情報収集を行い、必要な書類や手順を理解しておく。
• 申請書類は丁寧に作成し、不備がないか何度も確認する。
• 試験機関とのコミュニケーションを密にし、進捗状況を常に把握する。
• 早めに申請の準備に取り掛かり、時間に余裕を持ってスケジュールを組む。
• 専門家（コンサルタントなど）のサポートを受けることも検討する。

技適マークの取得は、無線機器を合法的に使用するために避けて通れない道です。計画的な準備と適切な対応によって、スムーズな承認取得を目指しましょう。そして、電波法を遵守し、安全で快適な無線環境を構築することが重要です。