枠組足場の掛m2の計算方法は?

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足場の枠組の掛㎡面積は、足場の外周に高さ(段数)を掛けた数値で計算されます。例えば、横幅10m、高さ3段の枠組足場の場合、掛㎡は10 × 3 = 30掛㎡となります。

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枠組足場の掛㎡計算は、一見単純に見えますが、実際には様々な要素を考慮する必要がある、奥深い計算です。単に「外周×高さ」で済むケースは限られており、現場の複雑な形状や、使用する足場材の種類、安全基準の遵守などを正確に反映しなければ、正確な数量算出は不可能です。 不正確な計算は、資材の不足や過剰発注につながり、工期遅延やコスト増加を招くため、正確な理解と計算方法の習得が不可欠です。

まず、基本となる計算式「外周×高さ」について、より詳細に見ていきましょう。この式は、単純な長方形や正方形の足場を想定したものです。外周は、足場の周囲の長さを意味し、各辺の長さを合計することで求めます。高さを算出する際には、足場の段数ではなく、実際に足場が設置される高さをメートル単位で用います。 例えば、高さ3mの足場を3段で組む場合、各段の高さが1mであっても、高さは3mとなります。 この点を混同すると、大きな誤差が生じます。

しかし、実際の現場では、長方形や正方形とは限らない複雑な形状の建物が数多く存在します。建物の形状がL字型やU字型の場合、単純な外周の計算では不正確になります。このような場合、それぞれの部分の外周を個別に計算し、最後に合計する必要があります。 さらに、凹凸のある形状や、窓やドアなどの開口部がある場合は、それらを考慮して、正確な外周を算出する必要があります。開口部については、単純に外周から差し引くのではなく、その形状に合わせて計算方法を工夫する必要があります。例えば、開口部が小さい場合は無視しても良い場合もありますが、大きな開口部の場合には、開口部の周囲を計算に入れ、全体の外周から差し引く必要があります。

次に、足場材の種類も計算に影響を与えます。枠組足場には、様々な種類があり、それぞれの部材寸法が異なります。 そのため、使用する足場材の種類によって、掛㎡あたりの必要本数や、計算方法に違いが生じます。 使用する足場材のメーカーや型番を確認し、その仕様書に基づいて計算を行う必要があります。

そして、最も重要なのは安全基準の遵守です。 計算された掛㎡は、あくまで理論上の面積です。 実際には、安全確保のために、必要以上に足場材を使用しなければならない場合があります。 例えば、強風や地震などの自然災害を想定し、補強材を追加する必要があるかもしれません。 また、作業員の安全性を確保するため、足場の間隔を狭くしたり、手摺りを追加したりする必要も出てきます。 これらの要素は、計算に直接反映されなくても、資材の数量に影響を与えます。

最後に、正確な掛㎡を算出するためには、現場の状況を正確に把握し、経験豊富な足場職人や、専門業者に相談することが不可欠です。 図面をよく確認し、不明な点は質問するなど、綿密な情報収集が正確な計算、ひいては安全で効率的な作業に繋がります。 単純な計算式に頼るだけでなく、現場の状況を総合的に判断し、安全を最優先事項として計算を行うことが重要です。 これにより、無駄を省き、安全かつ効率的な足場工事の実現が可能となります。