無人航空機は200g未満でも飛ばせますか？

200g未満のドローン、本当に自由に飛ばせる？ 規制緩和の落とし穴と安全運航のポイント

ドローンの人気が高まるにつれ、手軽に空撮を楽しみたいというニーズも増加しています。特に200g未満のドローンは「模型航空機」に分類され、航空法の規制が大幅に緩和されているため、初心者にも魅力的な選択肢となっています。では、200g未満のドローンは本当に自由にどこでも飛ばせるのでしょうか？ 答えは「ノー」です。規制緩和の落とし穴と安全運航のためのポイントを詳しく解説します。

確かに、200g未満のドローンは、200g以上の「無人航空機」に比べて飛行許可や飛行禁止区域に関する規制が緩和されています。自宅の敷地内や、公園など許可された場所であれば、比較的自由に飛行を楽しむことができます。しかし、「自由に飛ばせる」と「どこでも飛ばせる」は全くの別物です。

まず、航空法の規制緩和は、あくまで「手続きの簡素化」であって、「無制限の飛行許可」ではありません。 150m以上の高度での飛行は禁止されており、空港周辺や人口密集地など、特定の場所での飛行は依然として制限されています。また、私有地の上空を無断で飛行することは、たとえ200g未満であってもプライバシー侵害や迷惑行為にあたる可能性があり、トラブルに発展する可能性があります。

さらに、200g未満のドローンにも、航空法以外の法律が適用されることを忘れてはいけません。例えば、小型無人機等飛行禁止法は、重要施設（国会議事堂、首相官邸、皇居など）周辺での飛行を禁止しています。また、道路交通法では、道路上でのドローン飛行は原則禁止されています。 たとえ200g未満であっても、これらの法律に違反すれば罰則の対象となります。

さらに重要なのは、200g未満のドローンであっても、安全運航への意識を高く持つ必要があるということです。軽量であるため、風の影響を受けやすく、予期せぬ墜落や衝突のリスクがあります。飛行前には必ず周囲の状況を確認し、安全な場所を選びましょう。また、バッテリー残量や電波状況にも注意を払い、無理な飛行は避けましょう。

ドローンの安全な運航のためには、以下のポイントを心がけましょう。

• 飛行前に関係法令を確認する: 航空法、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法など、ドローン飛行に関連する法令を理解し、遵守しましょう。
• 飛行場所の選定: 人口密集地、空港周辺、重要施設周辺、私有地上空など、飛行が禁止されている場所や危険な場所を避け、安全な場所を選びましょう。
• 飛行前の機体点検: バッテリー残量、プロペラの状態、GPSの精度など、飛行前に機体の状態をしっかりと確認しましょう。
• 天候の確認: 強風、雨、雪などの悪天候時は飛行を控えましょう。
• 周囲への配慮: 飛行中は周囲の人や建物、車両などに十分注意し、安全に配慮した飛行を心がけましょう。プライバシー侵害にも気をつけましょう。

200g未満のドローンは手軽に空撮を楽しめる魅力的なツールですが、規制緩和に甘えることなく、責任ある操縦者として安全運航を心がけることが重要です。 ルールとマナーを守り、安全で楽しいドローンライフを送りましょう。