100wと60wの電球を直列につなぐと、100wが暗く、60wが明るくなるのはなぜか?

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直列回路では電流が一定のため、抵抗値の高い電球ほど多くの電力が消費され明るく光ります。100W電球より60W電球の方が抵抗値が高いため、60W電球の方が明るく、100W電球は暗くなります。

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100W電球と60W電球を直列に接続すると、60W電球の方が明るく光るという現象は、一見直感に反するかもしれませんが、電球の電力と抵抗の関係、そして直列回路における電流の特性を理解すれば、自然と納得できるようになります。単純にワット数が大きい方が明るいとは限らないのです。

まず、電球の電力(W)は、電圧(V)と電流(A)の積で表されます。つまり、P = IVです。さらに、オームの法則によれば、電圧(V)は電流(I)と抵抗(R)の積で表されます。つまり、V = IRです。これらの式から、電力はP = I²Rと書き換えることができます。この式が、今回の現象を理解する上で鍵となります。

重要なのは、直列回路では、どの部分を通る電流も一定であるという点です。100W電球と60W電球を直列に接続した場合、両方の電球を流れる電流は完全に同じです。 しかし、電球の抵抗は異なります。

電力と抵抗の関係式 P = I²R から分かるように、抵抗値が大きいほど、同じ電流が流れていても消費電力が大きくなります。ここで、60W電球と100W電球の抵抗値を比較してみましょう。 同じ電圧(例えば100V)で動作することを想定すると、消費電力Pが大きいほど、抵抗Rは小さくなります。これは、P = V²/R という式からも導き出せます。

100W電球は60W電球よりも消費電力が大きいため、抵抗値は60W電球よりも小さくなります。 直列回路では同じ電流が流れるため、抵抗値の小さな100W電球は、抵抗値の大きい60W電球よりも少ない電力を消費します。結果として、100W電球は暗く、60W電球は明るく光るのです。

もう少し具体的な例を挙げましょう。仮に、100Vの電源に接続した場合を考えます。100W電球の抵抗は、P = V²/R より、R = V²/P = (100V)²/100W = 100Ωとなります。一方、60W電球の抵抗は、R = (100V)²/60W = 約167Ωとなります。 ご覧の通り、60W電球の方が抵抗値が大きいです。

直列回路では、電源電圧は両電球の電圧降下の和になります。抵抗が大きい60W電球の方が大きな電圧降下を受け、結果としてより多くの電力を消費し明るく光るのです。一方、抵抗が小さい100W電球は電圧降下が小さく、消費電力も小さくなるため暗く光ります。

このように、電球の明るさは単純にワット数だけで決まるわけではなく、回路の構成、特に直列回路では抵抗値が重要な役割を果たしていることを理解することが重要です。 同じ電球を並列に接続した場合には、それぞれの電球に電源電圧が直接印加されるため、100W電球の方が明るく光るでしょう。 回路の種類によって、電球の明るさがどのように変化するかを理解することは、電気回路の基本的な理解に繋がります。