DPF再生中は走行しても大丈夫？

DPF再生中は走行しても大丈夫？その仕組みと注意点

ディーゼル車には、ディーゼルパティキュレートフィルター (DPF) という部品が搭載されています。このフィルターは、ディーゼルエンジンで排出される微粒子状物質（PM）を捕集し、排出ガスの浄化に貢献します。しかし、DPFには定期的な再生が必要で、その際に車両は運転を続けられますが、注意すべき点があります。

DPF再生とは、フィルター内に蓄積されたPMを燃焼させて除去するプロセスです。再生中は、フィルター内の温度を高め、PMを燃焼させるために、エンジンは通常運転時と異なる制御をします。そのため、エンジン回転数や燃料噴射量などが変化し、車両の挙動にも影響が出ます。具体的には、加速が鈍くなる、排気音が大きくなる、またはエンジンが若干不調に感じるといった症状が起こることがあります。これは、再生プロセスが進行中であり、エンジンが最適な状態を維持するために、一時的に制御されているためです。

再生中は走行が可能であり、停止せずに運転を続けることが推奨されます。再生を中断すると、PMがフィルターに蓄積し続け、最終的にはフィルターの性能低下や、さらなる不具合に繋がることがあります。再生を途中で止めるのは避けるべきです。

しかし、再生中は通常の走行と比較して、燃費が悪化したり、排気ガスの臭いが強くなる場合もあります。これは、再生プロセスでより多くの燃料を使用したり、高熱によって排気ガス中の物質が変化する可能性があるためです。

再生時間は、PMの蓄積量や走行状況、気候条件などによって異なります。短時間であれば数分～数十分程度ですが、場合によっては1時間以上かかることもあります。再生完了後は、DPFが正常に機能するよう、通常走行に戻ります。

DPF再生中は、車両の挙動の変化に注意し、必要に応じて運転を調整することが重要です。再生中は、エンジンが通常の運転状態とは異なり、一時的に制御されていることを認識し、急発進や急ブレーキを避けて、スムーズな運転を心がけることが大切です。また、再生中も、エンジンや排気系の異常がないか、定期的に状態をチェックするのも良いでしょう。

再生が頻繁に発生する場合は、走行状況や整備状況に問題がある可能性があります。たとえば、適切な燃料を使用していない、走行距離が短いためPMが蓄積しやすい、といったことが考えられます。頻繁な再生は、燃料の消費量が増えるだけでなく、エンジンへの負担も大きくなるため、原因を特定し、適切な対策を行う必要があります。

ディーラーや整備工場に相談することで、DPF再生の仕組みや、自分の車両の状態についてのより具体的な情報を提供してもらうことができるでしょう。また、運転の仕方やメンテナンス方法についてもアドバイスをもらえるでしょう。

最終的に、DPF再生中は走行可能です。しかし、再生中のエンジン挙動の変化に注意し、適切な運転を心がけることが大切です。もし、再生中に異常を感じたり、継続的な問題が発生する場合は、専門の整備業者に相談するべきです。その上で、今後のトラブルを防ぐため、定期的な点検やメンテナンスも重要です。