ESIMの契約で電話番号はどうなるの？

eSIM契約と電話番号：知っておくべきこと

近年、スマートフォンに物理的なSIMカードを差し込む必要のないeSIM（Embedded SIM）が普及しつつあります。便利で手軽なeSIMですが、契約にあたって電話番号はどうなるのか、疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、eSIM契約における電話番号の扱いについて、詳しく解説します。

まず、eSIMは大きく分けて「データ通信専用」「SMS付きデータ通信」「音声通話付き」の3種類があります。それぞれのタイプで電話番号の扱いが異なるため、注意が必要です。

1. データ通信専用eSIM

このタイプのeSIMは、文字通りデータ通信のみを目的としています。音声通話やSMS（ショートメッセージサービス）は利用できません。そのため、電話番号は割り当てられません。データ通信に必要な識別番号はありますが、これは電話番号とは異なるものです。例えば、特定のアプリにログインするためのIDのような役割を果たす、いわば内部的な識別子と考えてください。この番号を使って他者と連絡を取ったり、電話をかけたりすることはできません。データ通信のみを必要とするIoT機器や、セカンダリー回線としてデータ通信を補助的に利用する場合などに適しています。

2. SMS付きデータ通信eSIM

データ通信に加え、SMSの送受信が可能なeSIMです。この場合、電話番号が割り当てられます。しかし、この電話番号はSMSの送受信のみに使用でき、音声通話はできません。 例えば、2段階認証に必要なSMSを受け取ったり、簡単なテキストメッセージのやり取りに利用したりできます。しかし、電話をかける、あるいは電話を受けることはできません。データ通信とSMSを必要とする機器や、音声通話機能は不要だがSMS機能は必要とするユーザーに適しています。この電話番号は、一般的に音声通話用の電話番号とは異なる扱いを受けます。例えば、電話番号検索サイトに登録されていなかったり、電話帳に表示されない可能性があります。

3. 音声通話付きeSIM

これは、データ通信に加え、音声通話も可能なeSIMです。このタイプでは、電話番号の扱いが最も複雑になります。既存の電話番号をeSIMに移行する場合と、新規電話番号を取得する場合があります。

• MNP（Mobile Number Portability）を利用した番号移行: 現在利用している携帯電話番号をそのままeSIMに移行することができます。これは、携帯電話会社を変更する場合でも、電話番号を維持できる便利なサービスです。eSIM契約を希望する通信事業者へMNP転入の手続きを行い、契約が完了すると、既存の電話番号がeSIMに紐付けられます。手続きは各通信事業者の指示に従う必要がありますが、一般的にはオンライン手続きや店舗での手続きが可能です。

• 新規電話番号の取得: 新規契約の場合、またはMNPを利用せずにeSIMを契約する場合は、新しい電話番号が付与されます。この新しい電話番号は、音声通話、SMS、データ通信全てに使用できます。既存の電話番号を維持する必要がない場合、この方法が簡便です。

eSIM契約時の注意点

eSIM契約前に、契約内容をよく確認することが重要です。特に、電話番号の有無、MNP対応の可否、データ通信容量、料金プランなどを確認し、自身のニーズに最適なプランを選択しましょう。 また、機種のeSIM対応状況も確認する必要があります。すべてのスマートフォンがeSIMに対応しているわけではないため、購入前に必ず確認してください。

eSIMは便利ですが、電話番号の扱いについては、データ通信専用、SMS付き、音声通話付きで大きく異なります。自身の利用用途を明確にして、最適なeSIMプランを選び、スムーズな契約を進めましょう。 不明な点があれば、契約先の通信事業者に直接確認することが大切です。