LiDARにはどんな種類がありますか?

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LiDARは距離計測方法でTOF方式とFMCW方式に大別されます。TOF方式はパルス状のレーザー光を発射し、反射光の戻り時間を測定することで距離を算出します。一方、FMCW方式は周波数を変化させたレーザー光を連続発射し、戻り光の周波数変化から距離を計測します。両方式は用途や測定精度によって使い分けられます。
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LiDARの種類

LiDAR(Light Detection and Ranging)は、レーザー光を利用して対象物までの距離を測定するリモートセンシング技術です。その動作原理に基づいて、LiDARには主に2つの種類があります。

TOF方式(Time-of-Flight)

TOF方式のLiDARは、パルス状のレーザー光を対象物に発射します。この光が対象物に反射して戻ってくるまでの時間(飛行時間)を測定することで、距離を算出します。レーザーパルスの幅が短ければ短いほど、高精度の距離測定が可能になります。

TOF方式は、比較的単純な構造で低コストで実現できるため、自動車の自動運転や測量などの用途に広く用いられています。ただし、測定距離が短い(通常は100メートル以下)という制限があります。

FMCW方式(Frequency Modulated Continuous Wave)

FMCW方式のLiDARは、周波数を変化させた連続波レーザー光を発射します。この光が対象物に反射して戻ってくる際に、周波数が変化します。戻り光の周波数変化から、距離を計算します。

FMCW方式は、TOF方式と比べて高い測定精度を実現できます。また、測定距離がより長くなります(通常は数百メートルから数キロメートル)。ただし、TOF方式よりも複雑な構造になり、コストも高くなります。

FMCW方式は、航空レーザー測量やリモートセンシングなどの用途に用いられています。

その他のLiDARの種類

TOF方式とFMCW方式以外にも、次のようなLiDARの種類があります。

  • フェーズシフト方式: レーザー光の位相差を利用して距離を測定します。
  • 回帰反射方式: 特殊な反射材を用いて、高い精度で距離を測定します。
  • 多波長方式: 複数の波長のレーザー光を用いて、障害物の分類や物体認識を行います。

各方式には、用途や測定精度に応じて、独自の利点と欠点があります。また、LiDAR技術は日々進化しており、今後も新たな種類が開発されることが期待されます。