PEとはどういう意味ですか？

PE（恒久施設）とは？

日中租税条約では、第5条においてPE（恒久的施設）を次のように定義しています。

恒久的施設の定義

事業が継続的に行われるために設けられる固定の施設が、恒久的施設とみなされます。具体的には、以下の施設を指します。

• 事業の管理機関
• 支店、事務所
• 工場、作業現場
• 天然資源の採取場
• 6か月を超える工事現場
• 代理人を含め、12か月間に合計6か月以上滞在する場所

PEの意義

PEは、法人税の課税対象となる事業収益を特定する上で重要な概念です。企業がPEを設けている国では、そのPEに帰属する収益に対して法人税が課されます。

PEの類型

日中租税条約では、PEを以下の3つの類型に分類しています。

• 従属的PE：本社の指示の下で活動するPEで、意思決定権を持ちません。
• 独立的PE：本社からの指示を受けずに独立して活動するPEで、意思決定権を持ちます。
• 代理店PE：他社の代理人として行動するPEで、一定の範囲の事業活動を行います。

PEの判定基準

PEがあるかどうかを判定する際には、以下の基準が考慮されます。

• 施設の物理的性質：恒久的な構造物であるか、一時的なものか。
• 活動の時間的継続性：事業が継続的に行われているか。
• 従業員の有無と権限：従業員が常駐し、意思決定権を持っているか。
• 課税権がある国の法律上の権限：課税権がある国が、その施設に対して管轄権を持っているか。

PEの課税上の影響

企業がPEを有する場合、以下のような課税上の影響が生じます。

• 法人税の納税義務：PEに帰属する収益に対して法人税が課されます。
• 源泉所得税：PEを通じて発生した利子、配当金、ロイヤリティなどの源泉所得に対して税金が課されます。
• 二重課税の回避：日中租税条約は、企業が税金が二重に課されるのを回避するための条項を含んでいます。

PEの概念は、国際的な事業活動を行う企業にとって重要な要素です。企業は、PEの存在有無と、それによって発生する課税上の影響を慎重に検討する必要があります。