SICとSCの違いは何ですか？

SICとSC、住宅設計における靴収納のニュアンスの違いとは？

住宅設計図で見かける「SIC」と「SC」。どちらも靴を収納するためのスペースを指していることはご存知でしょう。しかし、ただ同じものを違う言い方で表現しているだけなのでしょうか？実は、この二つの略語には、設計者や住宅業界における微妙なニュアンスの違いが存在します。

まず、基本を確認しましょう。「SIC」は「Shoes In Closet（シューズインクローゼット）」の略で、文字通り「靴を履いたまま入れるクローゼット」を意味します。一方、「SC」は「Shoes Closet（シューズクローゼット）」または「Shoes Cloak（シューズクローク）」の略で、こちらも靴を収納するための空間を指します。

両者の最も大きな違いは、その広さと使い勝手に対するイメージです。一般的に、SICはSCよりも広い空間を想定している場合が多く、靴を収納するだけでなく、傘やベビーカー、アウトドア用品、場合によってはコートなども収納できる、ウォークインクローゼットのような多目的スペースとして設計される傾向があります。つまり、単なる靴収納というよりも、玄関周りの収納力を大幅に向上させることを目的としているのです。

SCは、SICよりもコンパクトな靴収納スペースとして設計されることが多く、あくまでも靴を整理・収納することを主な目的としています。とはいえ、最近では、SCも以前より広めのスペースで設計され、可動棚やハンガーパイプなどを設けて、収納力を高めているケースも増えています。

では、設計図にどちらの略語が使われているかで、何がわかるのでしょうか？設計図に「SIC」と記載されていれば、広めのスペースが確保されており、靴以外のものも収納できる可能性があると判断できます。一方、「SC」と記載されていれば、靴を中心とした収納スペースである可能性が高いと判断できます。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、実際の広さや収納力は、間取り図や設計担当者への確認が必要です。

さらに、注意しておきたいのが「シューズボックス」との違いです。シューズボックスは、あくまでも家具としての靴収納棚を指し、SICやSCのような空間全体を指すものではありません。

このように、SICとSCは、どちらも靴収納スペースを指す言葉ですが、その広さや用途に対するニュアンスには違いがあります。住宅設計図を見る際には、これらの違いを理解しておくことで、より具体的に理想の住まいをイメージしやすくなるでしょう。そして、設計担当者との打ち合わせを通して、ご自身のライフスタイルに最適な収納空間を実現してください。