WiFiを使うと通信料はかかりますか？

Wi-Fi接続、本当に「無料」？見落としがちな料金の落とし穴と賢い使い方

「Wi-Fiを使えば通信料はかからない」― これは、ある意味では真実ですが、完全に正しいとは言い切れません。確かに、携帯電話回線を経由したデータ通信のように、使った分だけ通信料が加算される「パケット通信料」は発生しません。しかし、Wi-Fi接続を利用する上で、知っておくべき料金に関する注意点や、賢く利用するためのポイントが存在します。

まず、大前提として、Wi-Fi接続には「回線」が必要です。自宅のWi-Fiであれば、光回線やADSLといった固定回線を契約しており、その利用料金を支払っています。つまり、厳密にはWi-Fi接続も、回線利用料という形で間接的に料金が発生しているのです。

次に、無料Wi-Fiスポットの利用について。カフェや商業施設などが提供する無料Wi-Fiは、確かにパケット通信料はかかりません。しかし、これらのWi-Fiスポットはセキュリティ対策が万全ではない場合が多く、個人情報が漏洩するリスクがあります。セキュリティソフトの導入や、VPN（仮想プライベートネットワーク）の利用など、自己防衛策を講じる必要があります。これらの対策には、ソフトウェアやサービスの利用料金が発生する場合があります。

さらに、海外旅行時に利用するWi-Fiルーターレンタルや、海外SIMカードの購入にも費用がかかります。これらは、携帯電話会社のローミングサービスと比較して割安なことが多いですが、初期費用や、プランによってはデータ容量制限があるなど、注意が必要です。

では、どのようにWi-Fiを賢く利用すれば良いのでしょうか？

• 自宅Wi-Fiのセキュリティ対策を徹底する: パスワードを定期的に変更し、最新のセキュリティプロトコル（WPA3など）を使用するように設定しましょう。
• 無料Wi-Fiスポットの利用は最小限に: 個人情報やクレジットカード情報など、機密性の高い情報のやり取りは避けるようにしましょう。VPNの利用も有効です。
• Wi-Fiルーターの性能をチェックする: 古いルーターは通信速度が遅く、電波干渉を受けやすい場合があります。最新規格に対応した高性能ルーターへの買い替えを検討しましょう。
• 契約プランを見直す: 携帯電話会社のデータ通信プランとWi-Fi利用状況を比較し、最適なプランを選ぶことで、無駄な通信料を削減できます。
• Wi-Fiテザリングを活用する: スマートフォンをWi-Fiルーターとして利用するテザリング機能を活用すれば、複数のデバイスを同時にWi-Fi接続できます。ただし、テザリングはスマートフォンのバッテリー消費が激しい点に注意が必要です。

このように、Wi-Fi接続はパケット通信料がかからないというメリットがある一方で、間接的な費用やセキュリティリスクが存在します。上記の点を踏まえ、賢くWi-Fiを活用することで、快適なインターネット環境を構築し、通信費を節約することができます。