中学3年生は小児科の対象ですか？

中学3年生は小児科の対象年齢なのか？この問いに対する答えは、単純な「イエス」や「ノー」では片付けられない複雑な問題です。一般的には15歳までを小児科の対象年齢とするのが一般的ですが、現実には年齢よりも、個々の患者の発達段階や健康状態を考慮する必要があるからです。

まず、年齢基準について考えてみましょう。多くの小児科医は、15歳（中学3年生）を小児科診療の上限年齢としています。これは、多くの小児特有の疾患や発達課題が、この年齢までに比較的落ち着いてくるという臨床的な経験に基づいています。例えば、小児喘息やアトピー性皮膚炎といった慢性疾患は、思春期に入ると症状が変化したり、管理方法が大人と異なる部分も少なくなったりします。また、成長曲線の観察や、思春期特有の精神的な問題への対応も、小児科医の専門領域です。しかし、15歳という年齢はあくまで目安であり、絶対的なものではありません。

では、15歳を超える場合、小児科を受診すべきではないのでしょうか？そうではありません。特に、思春期は身体的にも精神的にも大きな変化が起こる時期であり、適切な医療サポートが不可欠です。15歳以上であっても、以下のような状況では小児科を受診することが有効です。

• 思春期特有の身体的変化に関する相談: 月経に関する悩み、性に関する相談、急激な身長・体重の変化など、思春期特有の身体的変化に関する相談は、小児科医が得意とする分野です。小児科医は、発達段階を熟知しているため、適切なアドバイスやサポートを提供できます。

• 精神的な問題: 友人関係の悩み、学業のストレス、自己肯定感の低さなど、思春期は精神的な不安定になりやすい時期です。小児科医は、精神科医と連携しながら、適切なサポート体制を整えることができます。特に、早期発見・早期介入が重要なうつ病や不安障害などの精神疾患についても、小児科医は豊富な経験を持っています。

• 慢性疾患の継続的な管理: 小児期から患っている慢性疾患（喘息、糖尿病、アトピー性皮膚炎など）は、思春期を通して適切な管理が必要です。小児科医は、成長に伴う症状の変化や薬物療法の調整に熟知しており、継続的なサポートを提供できます。

• 予防接種: 成人になってから必要な予防接種についても、小児科医が適切な時期や種類をアドバイスできます。

18歳頃まで小児科で診療できるのが理想的と考える医師も多いのは、こうした理由からです。思春期は、子供から大人への移行期であり、その間は小児科医と連携することで、よりスムーズな移行をサポートできる可能性があるからです。

最終的には、年齢だけでなく、個々の状況を考慮し、必要に応じて小児科医、内科医、精神科医など、複数の専門医に相談することが重要です。迷った場合は、かかりつけ医に相談し、最適な診療科を選択することが最善の方法と言えるでしょう。 年齢だけで判断するのではなく、お子さんの状態を医師とよく話し合い、適切な医療を受けられるよう努めましょう。