はりまや橋はなぜがっかりするのですか?

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高知のはりまや橋、その小ささから「がっかり名所」として知られるも、市民に愛される観光スポット。老朽化のため10月中旬から改修工事が始まる。新しくなったはりまや橋に期待が高まる。

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はりまや橋は、なぜ「がっかり名所」と呼ばれるのか? そして、それでも愛される理由

高知の観光名所として名高い「はりまや橋」。しかし、その名を聞いて「ああ、がっかり名所ね」と答える人も少なくありません。なぜ、はりまや橋は「がっかり」というレッテルを貼られてしまったのでしょうか?そして、なぜそれでも多くの人に愛され、観光客が訪れる場所であり続けるのでしょうか?

まず、その「がっかり」の根源は、やはりその小ささにあります。多くの人がイメージする橋とはかけ離れた、本当に小さな、赤い欄干のある橋。観光雑誌やインターネットで見かける写真は、往々にして誇張されていたり、アングルを工夫したりして、実際よりも大きく見えていることが多いのです。そのため、期待を胸に現地を訪れた人は、「え、これだけ?」と拍子抜けしてしまうのも無理はありません。

さらに、はりまや橋の周囲の環境も、がっかり感を助長する要因の一つかもしれません。かつては堀川に架かっていた橋ですが、現在は堀川が暗渠化され、その上に道路が建設されています。そのため、橋の下には水が流れておらず、橋自体も交通量の多い道路に面しているため、風情を感じにくいという声も聞かれます。

では、なぜそんな「がっかり名所」であるはずのはりまや橋が、今もなお高知の顔として親しまれているのでしょうか?

その理由は、はりまや橋が持つ歴史的背景と、高知市民の愛情にあると考えられます。

はりまや橋は、江戸時代に豪商「播磨屋」と「櫃屋」が互いの店を行き来するために架けた私設の橋でした。当時、身分の高い武士以外は履物を履いての通行が禁止されていた時代に、この橋は例外的に通行が許可されたことから、自由な気風の象徴として、高知の人々に親しまれてきました。

また、はりまや橋は、よさこい節にも歌われており、その歌詞の中で「坊さんかんざし買うを見た」と歌われるように、恋物語の舞台としても知られています。このよさこい節は、高知を代表するお祭である「よさこい祭り」の起源にもなっており、はりまや橋は、高知の文化や歴史と深く結びついているのです。

つまり、はりまや橋は単なる小さな橋ではなく、高知の歴史や文化、そして人々の記憶が詰まった場所なのです。その背景を知れば、ただの「がっかり」で終わらせることなく、はりまや橋の持つ魅力に気づくことができるはずです。

そして、高知市民の愛情も、はりまや橋が愛され続ける大きな理由の一つです。今回の改修工事のように、はりまや橋は常に大切に維持・管理されており、地元の人々によって愛され続けています。その愛情が、はりまや橋をただの観光名所ではなく、高知の象徴として輝かせているのです。

もちろん、新しくなったはりまや橋が、以前よりも美しく、そしてより多くの人に感動を与える存在になることを期待しています。しかし、たとえ外観が大きく変わらなくても、はりまや橋は、その歴史と背景、そして高知の人々の愛情によって、これからも「がっかり名所」でありながらも、特別な存在であり続けることでしょう。