アメリカにビザなしで90日滞在できますか?

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日本国籍の方は、米国ビザ免除プログラムを利用できます。観光やビジネス目的で90日以内の滞在であれば、ビザは不要です。ただし、渡航前にオンラインで渡航認証(ESTA)を取得する必要があります。
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アメリカ90日滞在:ビザ免除プログラムとESTAの真実

アメリカ合衆国への旅行を計画している日本人にとって、ビザ免除プログラムの存在は大きな魅力です。しかし、「ビザなしで90日間滞在できる」という簡潔な情報だけでは、実際に渡航する際に必要な手続きや注意点が十分に理解できない可能性があります。本稿では、日本国籍者がアメリカにビザなしで90日間滞在できるのか、そのための条件や手順、そして潜在的なリスクについて詳しく解説します。

結論から言うと、日本国籍者は特定の条件を満たせば、米国ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program, VWP)を利用して、観光や商務目的で90日以内の滞在をビザなしで行うことができます。ただし、これは「ビザが不要」という単純な話ではありません。重要なのは、ESTA(Electronic System for Travel Authorization)の取得です。ESTAとは、VWPを利用してアメリカに渡航する外国人が、渡航前にオンラインで申請する渡航認証システムです。この認証がなければ、たとえ日本国籍であっても、アメリカへの入国は拒否される可能性が高いのです。

ESTA申請は、渡航予定日の72時間前までに完了することが推奨されています。申請には、パスポート情報、個人情報、渡航目的、滞在期間など、正確な情報を提供する必要があります。虚偽の申告は、将来の渡航に悪影響を及ぼす可能性があるため、細心の注意を払うことが重要です。申請料は、クレジットカードなどで支払います。承認されると、ESTAの承認番号が発行され、これをプリントアウトするか、デジタルで保存しておきましょう。アメリカ入国審査官は、この番号を確認します。

しかし、ESTAの承認が自動的にアメリカへの入国を保証するわけではない点に注意が必要です。ESTAはあくまで「渡航を許可する可能性がある」という事前審査に過ぎません。最終的な入国許可は、入国審査官が判断します。入国審査官は、渡航目的、滞在期間、滞在費用の確保状況、帰国予定などについて質問し、入国資格を判断します。不審な点があれば、入国を拒否される可能性があります。例えば、観光目的と称しながら、実際には就労目的で入国しようとしていると判断された場合、入国拒否されるでしょう。

また、VWPはあくまで一時的な滞在を目的とするプログラムです。90日を超える滞在を希望する場合、または学生ビザ、就労ビザなどの滞在目的の場合は、事前に該当するビザを申請する必要があります。誤った情報に基づいて渡航し、入国拒否されたり、不法滞在として罰せられたりする場合もあります。

さらに、過去に犯罪歴がある、もしくはアメリカで不法滞在歴がある場合など、VWPの利用が制限される可能性があります。申請前に、自分の状況がVWPの要件を満たしているか、慎重に確認することが必要です。

アメリカへの渡航は、事前の準備が非常に重要です。ESTAの申請は、渡航計画の中で最も重要なステップの一つであり、余裕を持って手続きを進めることを強く推奨します。ビザなしで90日間滞在できるといっても、それはESTAを取得し、入国審査官の審査を通過した場合に限られます。正確な情報に基づき、適切な準備を行い、安全で快適なアメリカ旅行を実現しましょう。