スカイマークとHISの関係は？

スカイマークとHISの関係：設立から現在まで、意外な変遷を辿る協力関係

スカイマークは、格安航空会社（LCC）の先駆けとして知られていますが、その設立には旅行会社HISが深く関わっていました。上記の通り、HIS創業者である澤田秀雄氏らの出資によって1996年に誕生し、航空業界の規制緩和の流れに乗って、新規参入航空会社として華々しくデビューを飾ったのです。

HISの支援は、スカイマークの設立資金だけでなく、その後の経営にも影響を与えました。HISが持つ旅行販売ネットワークを活用した航空券販売や、HISが運営するホテルとの連携など、シナジー効果を狙った戦略が展開されました。設立当初は、HISグループの一員として、HISの旅行商品の一部に組み込まれる形でスカイマークの航空券が販売されることもありました。

しかし、スカイマークは徐々に独立色を強めていきます。LCCとしての独自路線を確立し、独自の販売チャネルを強化することで、HISへの依存度を下げていったのです。2015年には経営破綻を経験し、再建のためにインテグラルという投資ファンドの傘下に入りました。この過程でHISとの資本関係は解消され、協力関係も縮小していくことになります。

現在、スカイマークとHISは、資本関係のない独立した企業として、それぞれの事業を展開しています。過去には密接な協力関係にあった両社ですが、スカイマークの経営状況の変化や、航空業界の競争激化などを背景に、その関係性は大きく変化しました。

しかし、完全に協力関係が途絶えたわけではありません。スカイマークのウェブサイトでは、HISの提供するホテル予約サービスへのリンクが掲載されており、旅行者をターゲットとした連携が見られます。また、HISのウェブサイトでも、スカイマークを利用した旅行プランが紹介されることがあります。

このように、スカイマークとHISの関係は、設立当初の緊密な協力関係から、資本関係の解消、そして現在の緩やかな連携へと変遷してきました。設立時のHISの支援がなければスカイマークは存在しなかったかもしれませんし、現在のスカイマークの躍進も、HISとの関係を基盤とした独立性が大きく影響していると言えるでしょう。

今後のスカイマークとHISの関係がどのように変化していくのか、航空業界と旅行業界の動向と共に、注目していく必要があるでしょう。特に、新型コロナウイルスの影響で旅行需要が大きく変化している現在、両社が新たな協力関係を築き、互いの強みを活かした新たなサービスを提供していく可能性も考えられます。

スカイマークとHIS。一見すると異なる業種の企業ですが、その歴史を紐解くと、複雑な繋がりが見えてきます。その関係性は、今後の航空業界と旅行業界の未来を占う上で、一つの重要な視点となるかもしれません。