スーパーはくは何線ですか？

スーパーはくたかは何線を使うのか？一見単純な質問ですが、その答えは「一本の線路」では済まされません。スーパーはくたか号は、複数の鉄道路線を巧みに繋ぎ合わせて運行される、まさに「複合路線特急」と言えるからです。単に何線と答えるのではなく、その運行形態の複雑さ、そして各路線が持つ個性を理解することで、この列車の魅力をより深く知ることができるでしょう。

まず、スーパーはくたか号は、京都駅または大阪駅から出発します。京都駅を発車した場合は、まずJR西日本の東海道本線（琵琶湖線の一部区間を含む）を北上します。この区間では、都会の風景から田園風景へと移り変わる様子を車窓から眺めることができます。大阪駅から出発した場合は、JR西日本の東海道本線（JR京都線の一部区間を含む）を経由します。いずれの場合も、この区間は比較的平坦で、速度も速く運行されます。

その後、姫路駅付近で山陽本線へと移ります。山陽本線は、瀬戸内海の穏やかな景色や、歴史を感じさせる町並みを車窓から楽しむことができます。この区間は、比較的海岸線に沿って走るため、海と山が織りなす美しい風景が堪能できます。

そして、智頭（ちづ）駅で智頭急行線に入ります。この区間こそが、スーパーはくたか号の旅のハイライトと言えるでしょう。智頭急行線は、山陰地方特有の豊かな自然の中を縫うように走る路線で、山々の緑や渓谷の美しい景色が、乗客を魅了します。急勾配やカーブも多く、力強い走行が印象的です。特に、智頭急行線は、他の路線と比較して非電化区間であるため、ディーゼルエンジンの力強いサウンドを車内でも感じることができます。これは、他の路線では味わえない、独特の旅情を演出しています。

智頭急行線を走り終えると、今度は因美線へと入ります。因美線は、比較的のどかな田園風景が広がり、地元の生活を感じさせる風景が車窓に広がります。この路線では、ゆっくりとした時間の流れを感じながら、日本の原風景を味わうことができます。

そして、終点の鳥取駅、または倉吉駅に到着する前に、山陰本線に入ります。山陰本線は、日本海の美しい海岸線を望む区間もあります。この区間では、夕焼けに染まる日本海や、変化に富んだ沿岸風景を堪能できるでしょう。

このように、スーパーはくたか号は、東海道本線、山陽本線、智頭急行線、因美線、山陰本線の5路線を乗り継いで運行されています。それぞれの路線が全く異なる風景と特徴を持っており、一つの列車でこれだけの多様な車窓風景を楽しめる点は、この列車の大きな魅力の一つです。単に「何線か」という質問では捉えきれない、この複雑で魅力的な運行形態こそが、スーパーはくたか号の真骨頂と言えるでしょう。 各路線の個性を知ることで、次の旅では、どの区間でどんな景色を期待できるか、想像力を膨らませることができるはずです。 そして、単なる移動手段ではなく、忘れられない旅の思い出を創造してくれる列車であると言えるでしょう。