ファストパスは無くなったのですか？

ディズニーランドの「ファストパス」消滅から、新たな予約システムへの移行まで：利用者の視点から

2021年6月、長年ディズニーランドの象徴的なサービスとして君臨してきた「ファストパス」が姿を消しました。多くのゲストにとって、待ち時間を短縮し、パークでの時間を最大限に有効活用するための重要なツールだったファストパス。その廃止は、ディズニーランドを訪れる多くのファンに衝撃を与え、同時に新たな予約システムへの移行への期待と不安をもたらしました。 果たして、ファストパスは本当に「無くなった」のでしょうか？そして、後継システムである「プライオリティ・パス」は、ファストパスに代わる、満足のいくサービスと言えるのでしょうか？

ファストパスは、パーク内にある指定されたキオスクでチケットを発券し、指定された時間枠にアトラクションへ戻って優先的に搭乗できるシステムでした。その手軽さと、比較的短時間で人気の高いアトラクションを楽しむことができた点が、多くのゲストに支持されていました。 特に混雑する時期や、特定の人気アトラクションでは、ファストパスを取得できるか否かが、その日のパーク体験の満足度に大きく影響していたと言えるでしょう。 家族連れや、限られた時間の中で多くのアトラクションを体験したいゲストにとって、ファストパスはなくてはならない存在でした。

しかし、スマートフォンの普及と、アプリを利用した予約システムの進化により、ファストパスは時代遅れになりつつありました。キオスクへの長蛇の列、時間枠の制限、そして複数のファストパスを取得することの難しさなど、改善すべき点も数多く指摘されてきました。 ディズニーは、これらの問題点への対応と、より効率的で利用者にとって利便性の高いシステムを目指し、ファストパスを廃止し、新たなシステムへの移行を決断したと考えられます。

そして誕生したのが「プライオリティ・パス」です。これは、ディズニーランド・アプリを通じて、事前にまたはパーク内で、希望するアトラクションの搭乗時間枠を予約するシステムです。 ファストパスと大きく異なる点は、全てアプリ上で完結すること、そして、個々のアトラクションごとに、時間枠が細かく区切られている点です。 これにより、より正確な待ち時間予測が可能になり、ゲストは自分のスケジュールに合わせた計画を立てやすくなりました。

しかし、プライオリティ・パスにも課題は存在します。 アプリの不具合や、ネットワーク接続の不安定さによって、スムーズに予約できないケースが報告されています。また、人気アトラクションの予約枠は、開始時刻からすぐに埋まってしまうため、戦略的な計画が必要となります。 ファストパスと比較して、より綿密な計画と、アプリへの依存度が高まっていると言えるでしょう。

結論として、ファストパスは確かに「無くなりました」。しかし、その機能は「プライオリティ・パス」という新たなシステムによって引き継がれています。 新しいシステムは、改善された点もある一方、アプリへの依存度が高まり、計画性の重要性が増していると言えるでしょう。 ファストパスの手軽さ、そして多少の不確定要素を含んだワクワク感は失われたかもしれませんが、プライオリティ・パスは、より効率的で、より正確なパーク体験を追求したシステムであると言えるのではないでしょうか。 今後の更なる改善と、利用者側の理解と適応が、この新しいシステムの成功を左右する鍵となるでしょう。