フランスでスリが多い場所は？

フランス旅行の際には、美しい景色や文化に浸れる一方で、スリに遭遇するリスクも認識しておく必要があります。フランスは観光客が多く、その人気につけこんだ犯罪も残念ながら存在します。 「スリが多い場所」を特定することは難しいですが、人通りの多い場所や観光客が集中するエリアは、必然的にリスクが高まります。 単に「スリが多い」と言うのではなく、具体的な場所や状況、そして対処法を交えて解説していきましょう。

まず、誰もが想像するような有名観光地は、スリにとって格好のターゲットです。パリのエッフェル塔周辺、シャンゼリゼ通り、ルーブル美術館やオルセー美術館といった美術館の入口や周辺、ノートルダム大聖堂（現在修復中ですが、周辺は依然として混雑します）、モンマルトル地区など、人ごみが密集する場所では、常に警戒が必要です。 これらの場所では、巧妙な手口でスリが行われます。例えば、群衆に紛れて近づき、バッグをひったくったり、巧みにポケットから財布を抜き取ったりします。 特に、路上パフォーマンスや、地図を広げて道に迷っているふりをしている人にも注意が必要です。 親切に見せかけて近づき、隙を見てスリを働くケースも少なくありません。

パリ以外でも、ニースやカンヌなどのコートダジュール沿岸都市、そしてストラスブールやリヨンといった主要都市でも、観光客を狙ったスリが発生しています。 これらの都市では、特に賑やかな市場や、海岸沿いの遊歩道、鉄道駅など、人が多く集まる公共の場所での警戒が重要です。 特に、混雑した電車やバス内では、貴重品に注意を払うだけでなく、周囲の状況にも気を配りましょう。 不自然な動きや、視線が気になる人物には、距離を置くことが大切です。

スリの手口は多様化しており、常に最新の情報を収集することが重要です。 例えば、集団で行動し、わざとぶつかってきて気を取らせてスリを行う「押し込み型」や、観光客に話しかけ、注意をそらしている間に仲間がスリをする「会話型」などがあります。 これらの手口は、高度な技術を必要とするわけではありませんが、人ごみの多さを利用することで、犯人を特定しにくくしています。

では、どのようにすればスリから身を守ることができるのでしょうか？ まず、貴重品は常に自分の目で確認できる場所に保管しましょう。 バッグは体の前に抱え、ジッパーや留め具をしっかりと閉めてください。 ポケットに財布を入れている場合は、必ず手を入れて確認しましょう。 また、高価なアクセサリーや宝石類は、極力身につけない方が賢明です。 そして、周囲の状況に常に注意を払い、不審な人物や行動には近づかないようにしましょう。 複数人で行動する際は、常に互いに気を配り合うことも大切です。

最後に、万が一スリに遭ってしまった場合は、すぐに警察に通報し、被害届を提出しましょう。 ただし、警察への通報は、言葉の壁や手続きの煩雑さから、抵抗を感じる方もいるかもしれません。 事前にフランス語での簡単なフレーズを覚えておく、もしくは日本語対応の旅行保険会社に連絡を取るなど、万全の準備をすることが重要です。 フランスでの安全な旅を楽しむためには、スリへの警戒心と適切な対策が不可欠なのです。 美しい景色や文化を楽しむためにも、安全意識を常に持ち続けることを忘れないでください。